インパクトのあるデザインで、ショップにディスプレイされればすぐに目につくほど鮮烈である。ただし構えてみるとその派手さは鳴りを潜め、ただシンプルな一色のクラウンでしっとりと眼に馴染む。
2014年モデル(前作)はクラウンにONOFFのマークが大胆にデザインされていたが、今度はそれをソール部分に移動した。当然この方が評判が良いはずである。
テーラーメイドのRシリーズ(白ヘッド)が爆発的なヒットを飛ばしてからどのメーカーもこぞって大胆で派手なデザインを取り入れたが、やはりデザインは所詮クラブの性能とはほとんど相関が無いことにユーザーが気がつき始めてからは、早くもまた落ち着いた飽きの来ないクラシックなデザインに戻りつつある。
性能の方は、目新しい機能は皆無であるがシャフト、ヘッド共に奇をてらわずオーソドックス。ロフト、フェース角などの調整機能を一切組み込まないのはグローブライドの信念ともとれる。さすがにグローブライドのフラッグシップモデル、(と言っても赤と黒の2モデルのみであるが)明らかにXXIO対抗馬であろう。ロフトやフェース角などの調整機能は全くない代わりに余計な機能は全て削ぎ落とした感がありありと見える。事実グローブライドのHPでも「無駄なものを省く」と明記されているほどであるから、決して技術力がないのではなく自ら簡素化への道を選択しているのだ。実際に試打をしてみると、欠点が見つからないほど出来が良い。よく飛ぶしヘッドも良く走る。しかも打球音、打感もよく研究されているおり全体としての完成度が高い。
しかし、じゃあこの
オノフONOFF2015 AKAを購入するのか?といったら答えはNOであろう。価格としては決して廉価とは言えず(
XXIO8対抗としては当然だが。)同価格帯であればユーザーは間違いなく
XXIO8を選択するからである。生粋のONOFFファンであれば話は別だが、ダンロップが巨額を投じて設計しているXXIOに勝る信頼を勝ち取るにはまだまだグローブライドでは役不足である。XXIOを超える何かをアピールできてこそ、初めてユーザーはこのクラブをレジに運ぶだろう。性能は一流であることは間違いがない。あとは契約プロ、価格設定、Advertisementを含めたマーケティングを充実させていけば少しずつシェアを奪回できるかもしれない。