HOMEランキング・ドライバー部門907 D1 ドライバー
 タイトリスト
 907 D1 ドライバー  (SLE適合モデル)



ヘッド素材 ボディ 6-4チタニウム
フェース SP700ベータチタニウム
ホーゼル 6061-T6アルミニウム
ロフト角(°) 8.5 9.5 10.5
ライ角(°) 59
ヘッド体積 460cc
シャフト ランバックス6X07
ディアマナS63
タイトリスト・スペックグリッド57
グリップ グリップ タイトリスト・ツアー・ベルベット・ラバー(M60)
デュアル・デュロメーター(M60)
※タイトリスト・スペックグリッド57のみ



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907 D1と907 D2をリリースしてきたタイトリストは、このおむすび型のD1でより簡単にゴルフをしたいというプレイヤーをターゲットに定めている。

ゴルフ雑誌の中には、D2よりもD1の方が、飛距離性能を重視しているというレポートがあるが、実際はD1の方が方向性を重視したモデル。

プロプレイヤーも実際にD1を使用している人はあまりおらず(USPGA)、殆どオーソドックスなD2を使用している。

ヘッドの投影面積が大きく、重心深度も深く設定されており、サスクワッチ同様、方向性は大幅に改善されている分飛距離は特筆すべきものではない。あくまで標準的である。

特にダウンブローに打つプレイヤーに対しての飛距離性能は低下しやすく、レベルブローからアッパーに打つと良い結果が出やすい。


歴代のタイトリストのドライバーの中ではもっともやさしいモデル。タイトリストは上級者向けという概念はこのドライバーには無い。

ただしこれはある程度力があり、ヘッドスピードがあるプレイヤーに対してであり、あまり力のないスインガーに対しての配慮ではないことに注意が必要。

一番軽い純正のオリジナルシャフトでも、309g前後で、スイングウェイトはD2前後とやはり標準以上。とてもヘッドスピード40m/s未満のプレイヤーが使用できるものではない。

芯はフェースの中央やや上部に設定されている。


これまでのタイトリストのドライバーに比べて、球離れが早いのも大きな特徴。さらに加えてヘッドは極めてローリングしにくい。パターでいうとピン型とマレット型くらい違いがある。

従って手先でヘッドをコントロールするのは極めて苦手。これはサスクワッチと同様かそれ以上ともいえるだろう。後ろからボールを押していく感覚が強い。ランバックスXシリーズを入れるとさらにその感覚が強くなるだろう。


上から見ると本当に三角形で、投影面積もかなり大きく感じられるが、四角形に比べると若干構えやすいか。

フェースも殆どスクウェアで、若干スライスに感じられるほど。ボールのつかまりが悪いのはこれまでのタイトリストの伝統どおり。

光の反射を防ぐ、つや消しペイントではあるが、クリーブランド、ハイボアのように安っぽさはあまり感じられないのはプラス評価であった。


試打スタッフの意見が分かれたのがこの打感。プロスタッフの中でも評価が割れた。

今までのタイトリストに比べれば硬く感じられ、打球音も明らかに異質で、金属音が強い。

だが、当然メーカーはボールをV1かV1Xでテストしてきているだろう。これらのように柔らかいスピンタイプのボールを使用すれば、適度に芯が残るが柔らかさも感じ、心地よく感じる。

もし硬めのボールをチョイスすれば、今までのタイトリストユーザーの感覚では明らかに硬い。

特に今までタイトリスト製品をお使いの方が購入する時は必ず試打を行いたい。



前述したがヘッドスピード40m/s程度では殆ど歯が立たない。メーカーも開き直って標準スペックはSかSRフレックスしかラインナップさせていない。

ゴルフのスキルは全く関係ないが、やはり44m/s以上は欲しいところ。

ただ、このようにターゲット層を明確にすることは、ゴルフショップなどの小売店にも意図が伝わりやすく、ユーザーも間違って購入する事が少なくなるので、購買者利益につながる。メーカーのこの販売方針は評価に値する。





まず、安価なUSスペックも売り出されている事に注意したい。特にUSスペックのタイトリスト純正シャフトはやはり値段の分だけ性能が落ちる。

メーカー側は中調子〜中本調子のスペックがヘッドに相性が良いと判断したようである。ランバックスもディアマナも方向性を重視したシャフトで粘り感が強い。












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今までタイトリストは徹底して中〜上級者をターゲットにクラブ設計を行ってきた。この907 D1に関しても、異型ドライバーがゴルフ市場で流行する中、メーカーの精一杯の譲歩と言えるだろう。

タイトリストがコブラ社を買収したのもヘッドスピードのある程度遅いプレイヤーをカバーしようとした為で、そうまでしてタイトリストブランドのイメージを壊したくなかったという背景が見え隠れする。(市場では意図に反してコブラも高ヘッドスピード層に支持される結果となってしまったが)

907 D1は、簡単にゴルフをしようとする意図は感じられるがそれでも完全に初級者に配慮したわけではなく、シャフトスペックから考えても「タイトリストブランドはある程度のヘッドスピードが無いと扱えないですよ」というメーカーの意思を明確に表示する結果となった。
(実際にマックテックNVGツアーのように、ターゲット層をぼかして失敗した例はいくらでもある)

しかしこれこそ正しい戦略なのではないか。前述したように、その意思表示は、最終的に購買者利益につながるのだから。

907 D1は完成度としては中の中程度で、これが爆発的にヒットすることは考えられないが、このクラブがあってこそ、オーソドックスな907 D2が輝くのではないだろうか。




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