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大ヒットモデルのGT455RM(現行)のPVDバージョン(イオンプレーティング)加工を施したモデルで、より高い耐久性能と引き締まったシャープな印象を与える。
455RMからの変更点としては、可変ウェイトが2コから3コに変更になって、より細かな重量設定、重量配分が可能になった。
さらに見落としてはならないのがメーカー出荷時のヘッド重量が203gと前作よりも7gもアップしたという点。メーカー専用シャフトとの兼ね合いも考慮しての設計なのだろうが、技術力や知識の無い人が一般のシャフトで製作すると、性能が発揮できない可能性が高い。
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今回の情報収集でも、相変わらず飛距離性能は際立って高い。他メーカーのものと打ち比べてみるとはっきりと違いがわかるが、前作同様初心者でもアッパーブローなど飛距離を獲得する為の技術を必要することなく、ただ振るだけで高打ち出しで糸を引くような理想の棒球が出る。血のにじむような努力を必要とせず、上級者と同じ弾道を得ることが出来る。
GT455BLACKは、455RMに比べて、ターゲットが多少ヘッドスピードの高いプレイヤー向けにシフトしている。
よって、今までジオテック製品を使用したくても、ボールが浮いてしまうプレイヤーに恩恵をもたらすことになる反面、アベレージから下の人が使いこなすにはヘッド重量などの点でチューニングが必要である。
以上の点に気をつければ、殆どGT455RMからの変更点はないので、GT455RMからの設計、高い飛距離性能は受け継がれている。
引き続き、今まで飛距離に対してコンプレックスを持っていたプレイヤーには福音となるだろう。
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ヘッドの投影面積は455RMとあまり変わらず、ヘッドをとにかく大きく見せようという意図は感じられないのも前作同様である。
今回は特にヘッドが黒塗りの為、多少引き締まって見えることと、フェースの開き具合がアドレスの状態から確認しづらくなった。
455RMは誰が打っても平均的に飛距離が伸びたのに比べ、こちらはある程度のヘッドスピードを要求する。
全体の印象としては難易度は上がっている。
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前作に比べて大幅に性能が向上したのがこの点。行き先は球に聞いてくれとばかりに高弾道でビッグキャリーを稼ぎ出した455RMに比べて、上級者が好むような落ち着いたボールの回転になった。
結果、操作性は向上している。欲を言えば、PVCでなければもっと球離れが遅くなり、更に性能アップにつながっていたかもしれない。
トゥ側に外した時にフックで戻ってきたり、ヒールに当たった時にスピン量を増やしてボールを浮かしたりといった、オートマチックな基本性能は455RMから引き継がれている。
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まず、フェース角は9.5度のモデルで0度。10.5度のモデルでも+0.5度。ジオテック社のモデルは表示よりもかぶって見えることも多かったが、このGT455BLACKに関してはほぼ表示どおりで上級者でも気になるようなことは無い。
実際にソールしてみると、フェースまでイオンプレーティングしていることもあって、精悍な顔つき。形状はブリヂストンのような丸型ではなく、洋ナシ型に近い。この方が投影面積は大きく感じる。地面において見てもフェース角が狂うこともないので安心である。
唯一難を言えば、全身が真っ黒なので、フェースの向きがわかりにくいという事だろうか。
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打球音は多少高くなったが、それでも打感は柔らかい。本当にこの価格帯でこの感覚が手に入るのは驚きである。
打感は文字通り感覚なので、個人の好みがあるのは当然だが、大切な事はターゲットとするプレイヤー層が好む打感にメーカーが設定することである。つまり上級者がターゲット層であれば球の食いつきを良くして打球音も低めの方が良いだろうし、飛距離の欲しいヘッドスピードの遅い人向けのヘッドならば、打球音は多少高めが良いだろう。
その面でもジオテック社は決してコンセプトに矛盾しない打感を提供している。
ちなみにこれらはシャフトによっても変化してくるので、RatingGate推薦のスペック以外で組んだ時はまた違った評価にもなりえることには注意したい。
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前述したように若干ハードスペックに移行している。ヘッドスピードが42m/s以下の人は基本的には使用しないほうが良い。
その場合はGT455RMの方が飛距離性能の面でメリットが大きい。10.5度のモデルが適応になるのは、GT455RMではボールが高く上がりすぎてしまうような人、それも打ち込むことによって回転数が多くなるようなタイプではなく、ロフトが開いて打ち出し角が高すぎてしまう人は、乗り換えてもメリットが大きい。
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純正シャフトのGT BLACK に関しては、価格の割りに飛距離性能が高いが、重量が少し軽いのと重心位置が高い。GT455BLACKはヘッド重量が重いので軽めのシャフトでなければバランスが重くなってしまう為であるが、実際にこのスペックで組むと、シャフトが頼り無く感じてしまい、ヘッドが暴れる原因にもなり得る。シャフト重量でバランスを取るのではなく、グリップの重量やシャフトの重心位置で調整すべきである。
これらを考慮に入れると今話題のクレイジーシャフトも相性の良い組み合わせであるが、価格帯が合わず、ジオテック社が誇るコストパフォーマンスが著しく低下してしまう為、RatingGateで推奨スペックに加えるかどうかは未定である。
対して、RatingGateでもおなじみのマッハラインPROTO7061を装着すると、シャフトの手元がしっかりしていることと弾性が強いことがヘッド特性にマッチし、よりオーソドックスで誰にでも合う仕上がりとなる。
ヘッド特性からもう少し重量の重いものを組み上げたいならば、マッハラインPROTO7080でも良い。ただしかなりハードな仕上がりとなるのでパワーヒッターでより飛距離の欲しい人向け。
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