タイトリストにしては珍しく、複合素材を用いた新設計アイアン。これまでのコンベンショナルなスタイルを全く踏襲せずひたすら性能の向上を目指している。以下メーカー抜粋
高い慣性モーメントと手ごたえのある打感を実現
バックフェースの「セントラル・サポートバー(補強材)」がキャビティーアイアンにありがちな打感の頼りなさを解消し、手応えのある打感を実現。
タングステン・ニッケル・ボックスを装着することで深・低重心を達成。
スイートエリアを拡大し、オフセンターで打っても安定した飛距離を確保。
タングステン、ニッケルボックスをステンレスボディにレーザー溶接することで一体感あるフィーリングを可能にした。
デザイン性に富んだにアルミプレートを採用し、キャビティ部分に張り付けることにより打感の向上を図る。
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飛距離性能を求めてこのクラブをチョイスするべきではない。決して飛ばないわけではないが、これよりまださらに飛ぶクラブは山ほどある。
面白いのはショートアイアンになるほど飛距離が落ちてくること。逆に言えばロングアイアンは楽に球が上がりキャリーも出る。
当初はヘッド形状からかなりのキャリーを期待していたが、これまでのタイトリストユーザーを思慮してか、ショートアイアンでも番手間に一定の距離を刻んでいる。
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ショート〜ミドルアイアンにおいては球は低め。番手が上がるごとに球も上がり易くなっており、慣れると扱いやすくなってくる。
軟鉄鍛造とフルキャビティの中間的設計ではあるが、ヘッド自体の特性は鈍く、フェースローテーションの大きいプレイヤーでも方向性のブレは少なそうである。
重心距離の関係からか、球の捕まりがかなり悪い。
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ボールの回転数は多めであり、棒球にはなりにくいが、繊細にコントロールできるという感じではない。
球の食いつきは悪く、上級者の微細なフェースコントロールには答えられそうにない。フェースの方向にそのまま球が出て行くという感覚とヘッドが鈍感で手の動きに反応しづらいという感覚が混在する。
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ボールがラフに入った時、ダフり気味に入った時などの抜けは悪い。
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実際に構えてみると、見た目は易しそうな雰囲気を目いっぱいに醸し出している。グースがきつくボールを包み込む感覚が大きいしトップブレードが異様に厚く、手前の芝ごとグリーンまで運んでくれそうな勢いである。
実際にトップブレードの厚さは重心配分の結果であろうからスイートスポットの広さに直結していると言える。
上から見たヘッドの投影形状は、出来るだけ軟鉄鍛造のクラシカルなデザインに近づけようとする意図は感じられるものの、そこに美しさは感じられない。
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特に悪評が集まったのがこの打感。ボディ自体は軟鉄鍛造であるが、色々な複合素材で武装しており、タングステン、ニッケル、アルミまで配置している。しかし一向に打感は良くならなかったらしい。
あらゆる努力をしてなんとかこのレベルまで来たのか?もしくは開発のベクトルがあさっての方向に向いているのかはわからないが、残念ながら打感自体が硬くて打球音も良いとは言えない。
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ショートアイアンではあまりボールが上がらないことと、やはり総合的に飛距離性能が高くないこと、さらにシャフトスペックを考えれば、ストライクゾーンは43m/s〜46m/s程度か。
それ以上は姉妹モデルのAP2をお勧めする。こちらはダイナミックゴールドの設定もある。
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カーボンシャフトの設定はなく、ダイナミックゴールドの設定もない。唯一の純正シャフトはNS950GHという珍しい設定。
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タイトリストの現行のZブレンド、Zマッスル、660フォージドなどと比べてもユーザーの触手を刺激することはできないだろう。
打感向上のためのアルミプレートが安っぽさを醸し出しており、レポートも高評価のものは少ない。もともとバックフェースはキャディバッグの中で傷付きやすい個所であるので、月日が経つにつれて柔らかいアルミのバックフェースがどうなっていくかは想像に難くない。
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