もともとプロ専用に特注されたモデルの原形らしく、細かいデータは不明。だが明らかに、ゴルフ市場に流通しているモデルとは違う点がある。それは同じ軟鉄鍛造でもSS400という極めて柔らかい素材を使用しているということ。さらに流通価格が低い。
以下、メーカー抜粋
・特許取得の独自設計
・安心して構えられるミッドサイズ設計
・ゴルフをやさしくするセミグース設計
・ボールを包み込むセミグースネック
・軟鉄の中でも特に柔らかいSS400を使用
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5Iで24°Pwで45°と今時良く見るストロングロフト設計であり、実際の飛距離性能も高い。同じ距離をより短い番手で打つことが出来ればよりゴルフが簡単になるというコンセプトらしい。
またロフトが立っていてもマッスルバックにしては打ち出し角が高いので、番手が上がるに連れて飛距離が落ちるような事もないだろう。
実際にキャリーを計測してみると、番手間で安定していた。これはロフトが数値通りであり設計が一貫していることの証明とも言える。
注意点は、やはりPwより下の番手の差が開いてしまう点。Pwで120ヤード以上飛んでしまうこともあるので自身のウェッジとの飛距離の差を良く考える必要がある。Awも発売されているが、バックの中の14本をどうカスタマイズするか、頭を悩ませるところであろう。
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メーカーHPには上級者専用と銘打ってあるが、コンベンショナルタイプ(マッスルバック)タイプのアイアンとしては極めて易しい。
ボールも良く上がるし飛距離も出る。また特筆すべきはロングアイアンにおけるスイートスポットの広さである。マッスルバックアイアンの打感を維持しながらここまでミスショットに寛容な設計を実現しているのも、特許取得の独自構造によるものなのかもしれない。
ただ、全くの初心者に対応しているというわけではなく、真横から払って打つと芯に当たってくれない。多少でもダウンブローにヒットし、ボールの先のターフをとる必要はある。
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マッスルバック独特の球の食いつきやシャープネスは健在である。ノーマルショットでは比較的高い球であるが、低い球やフック、スライスも思いのままに打てる。
普通のマッスルバックよりもスポットが広いため、わざとトゥやネックよりで打っても大きく弾道を損なうこともない。
ショートアイアンではソールが広めであるが、特に操作性に影響を与えるものでもなさそうである。
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実際に構えてみると若干のグースネックであり、ボールを多少包み込むイメージが出てくる。かといってストレートネックが好きな人でも完全に拒否反応を示すというわけでもなさそうである。それだけヘッド形状が洗練されている。
ショートアイアンなどでは、フェースのネックよりとトゥ寄りの部分に飛球線と平行なラインがイメージ出来るので、グリーンまでのラインを出しやすい。
ただ、ロングアイアン(2〜3I)では、実際にアドレスするとバックフェースが見えてしまう点に言及しておく必要がある。これでバックフェースデザインがシンプルでなければ欠点になってしまっていただろう。
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HPでは情報が不足しており内部構造が良く把握出来なかったものの、打感は最高レベルと言ってよい。
軟鉄素材はSS400を使用している。SS400は通常のS25CやS20Cよりもさらに柔らかく、組成が不安定なためアイアンの素材には使われにくい素材であったが、製鉄から一つのヘッドにするまで日本で徹底的な品質管理を行うことで、これまでにはない打感を実現しているという。
なるほど実際にスタッフプロの試打では何本もの軟鉄鍛造アイアンを打ち比べてみたが、このZ−01で芯を喰った時の感触は何とも形容しがたいほど素晴らしいものであった。軟鉄鍛造の中でも格段に柔らかく、なおかつズシンと体の芯にまで届く質感は、大手国産メーカーのあらゆるアイアンを完全に凌駕している。
特にロングアイアンなどでは忘れられない手ごたえを得られるので、その打感を頼りに練習することで、正しい上達へのナビゲーターにさえなるように思う。
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メーカ発表では上級者用モデルとなっているが、中級者でも十分適応可能。マッスルにしてはスイートスポットも十分広く、ヘッドの投影面積も大きい。
5I〜であればヘッドスピード43m/s〜程度。3I、4Iを使用するのであればそれ以上のヘッドスピードを基準にすれば良いだろう。
43m/s以下であれば避けた方が無難。
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とにかくロングアイアンの完成度が素晴らしいので、ヘッドスピードのある人は、3Iからの使用をお薦めする。コースには持って行かなくとも、練習場でバックに忍ばせておけばよい。
ヘッド重量がスチールシャフト向けに作成されているので、重量調整しなければカーボンシャフトへのリシャフトはお薦めしない。
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写真だけではよくわからないかもしれないが、バックフェースはシンプルでPROTOTYPEの刻印のみ。あとはつるっとした無機質なデザインで一見すると上級者やプロ限定のマッスルバックアイアンに見える。キャディバックに収まってるだけで同伴競技者は自然に身構えてしまうというものだ。
ソールを見るとマッスルバックタイプでは広めで少し鈍感な印象がある。
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