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これまでオードソックスにこだわり続けたミズノが発売した初の高慣性モーメントモデル。市場のトレンドは四角形か三角形であるが、ミズノは写真でみてわかるとおり五角形でヘッドを設計してきた。
ヘッドが異型であること以外は特に大きな特徴は見られず、バランスもクラブレングス、総重量などもオーソドックス。ヘッドはノンカップフェースの2ピース構造で、クラウン部分もヘッドは二段になり近未来的なイメージが漂う。
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サスクワッチ、タイトリスト907D1などの飛距離性能がそろって芳しくないのに比べ、ヘッド形状も加味すればA25の飛距離性能は高い。試打で対照実験的に比較したコンベンショナルなヘッド形状のモデルと比較しても、際立って見劣りすることはなかった。
五角形ヘッドがエネルギーロスを抑えてくれる効果であろうか、飛距離の欲しい女子プロが使用することが何よりの証拠である。
飛距離性能を最優先するのであれば、まだこのA25も購入対象にはなりにくいが、それでもトータルバランスは秀でている。
また、純正シャフトのクワッドシリーズは飛距離性能が抜群とは言いにくい。せっかくクラブオーダーが可能なのだから、純正シャフトを選択するべきではない。
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慣性モーメント値は、控えめの4700gcuだが、実際に打ってみると実際の感覚は、それよりも大きく感じられる。また芯を外した時も飛距離の低下は少なく、ヒールに当たってもヘッドが回転しないのでスライス回転で戻ってきやすい。
トゥ側でヒットすると、右にまっすぐ飛びだす傾向が強く、今までトゥ側に意図的に当ててギア効果でドローボールを打っていた人には、同じ球は期待出来ない。
極端に捕まりが良いわけではないので、スライス防止ならばローロフトは選択するべきではない。
結論としては、サスクワッチのように圧倒的な安定性は見せないものの、丸型や洋ナシ型のヘッドに比べて易しさは大きく感じ取れる。
総じてバランスに長けているモデルといえる。
ちなみに 重心角 22.0度 重心距離 41mm (平均値)であり、実際の感覚と相違は感じられない。
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純正シャフトに対するクラブ全体の仕上がりとして若干の鈍さが残る。これは、純正シャフトがあくまでアベレージヒッターを対象にしていることの表れである。
対して、ミズノご自慢のフィッティングシステムを利用すれば多くのシャフトが装着可能であり、後述するシャープな属性のシャフトをチョイスすることにより、操作性も決して犠牲にならない。
ミズノらしい、こだわりのシステムである。
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多くの異型ヘッドは、どうしても慣性モーメントの都合上捕まりが悪くなり、それを補正するためにフックフェースにしているのが常であるが、こちらのA25に関しては、9度では若干のフックフェースに留まり、レポートはいたって高評価である。
10度、11度になるにつれてフックの度合いがきつくなるがそれでも我慢できない程ではない。クラウン最後部の出っ張りによって、真四角にも見えず違和感もさほどではない。
なるほどここに、プロプレイヤーが使用する所以があるのかもしれない。
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一般的な意見を言えば、打感は悪くはないのだが、打球音は不快。
とはいっても初代のサスクワッチのように 何にも気にしていません 的なメッセージは読み取れず、出来る限り不快な音は消し去ろうという努力は垣間見える。
ただ神経質な人は購入前に一度確かめると良いだろう。
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JPX A25は、ミズノ契約の女子プロは多くがMPから乗り換え、さらに驚くべきことに男子でも使用プロがちらほら見え始めている。それだけ総合性能が高いといえる。
どんなヘッドスピードのプレイヤーでもクラブの恩恵は受けられるが、やはり一番のストライクゾーンは43〜46m/s前後のプレイヤーだろう。
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今回の試打、レポートを総合すると、相性が良いのはシャープでトルクの絞っているシャフトである。
元調子のものはヘッドとの相性は良くない。もともとヘッド自体が動きが鈍いので、操作性に大きく影響が出ることに加え飛距離性能も損なう為である。
対してスピーダーやクワトロテック、マッハライン系の走るタイプのスペックでは、ヘッド形状からは想像できないほどヘッドがよく言うことを聞いてくれる。
ちなみに純正シャフトが、レポートのみならずゴルフ市場全体でも評価が高くないのは前述したとおりである。
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