飛距離実測でNV−Fよりも8.9ヤード飛距離を伸ばしたと豪語する新マックテック。これまでの歴代フルモデルチェンジよりも一層劇的な性能の向上を果たしたという。ヘッド重量を重くしているのは前作と同じ。ヘッドスピード別に3種類のヘッドを展開する。
以下メーカー抜粋
DS101(スインガータイプ) 丸形460cm3ヘッド。シャフトのさらなる軽量化と長尺化により、ヘッドスピードを向上。
DH101(ヒッタータイプ) 洋梨型460cm3ヘッド。シャフトの軽量化と重めのヘッド重量で、力強いインパクトを実現。
DP101(パワーヒッタータイプ) 洋梨型425cm3ヘッド。安心して叩いていける設計で、パワーを無駄なくボールに伝達。
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3種類のヘッドに共通するのは、飛距離を稼ぐためのコンセプト「重量ヘッド、カップフェース、モトーレシャフト」が同じということである。
これらスペックのうち最も完成度が高いのはDS(ブルー)である。DSのみがDH、DPと比べて突出して性能が高い。以前のマックテックは自社設計の多重キックポイントシャフトにより飛距離を稼いでいたが、DSに装着されているDS-3942Fもシャフトの走りによって振り遅れを防いでくれる。スライサーにとってはボールの質が重くなり最適弾道が得やすい。
ヘッドに関して、DSからDH、DPとヘッド体積が小さくなるがその数値以上に方向性や易しさが損なわれている印象である。
DH、DPに関してはまだまだ上級者やヘッドスピードの早い人のニーズを完全に満たすとは言い難く、ボールのつかまり、回転数など一つ一つの要素を統合させてみると他者メーカーのドライバーよりも飛距離を伸ばす要素を紹介できるには至らない。
メーカーHPではNV-FとDH101の飛距離性能の違いをグラフにして比較しているが、一回の計測なのか複数回の平均値なのかの表示もなく、計測条件も明示されていない。誌上に紹介するにはもっとエビデンスを明確にしなければならない。これが運動科学系の論文なら間違いなく指摘される要素となる。
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歴代のマックテックがヒットを続けている理由の一つは、技術が伴わなくとも芯を外しにくくプレイヤーのストレスを増幅させないことであった。DSに関してはこのやさしさは継続されており、この傾向はどのロフト(9〜11°)に関しても得られている。
11°のものに関してはフェースが大きく左を向いており、アップライトなライ角設定と共に絶対に右には行かせないというメーカーの明確な意思表示が見て取れる。対して9°のものは特に捕まりが良いという訳ではない。
DPに関して言えば、複数のスタッフプロが難しいと感じてしまったようだ。一見するとまっすぐ安定して飛んでいるようでも、スイートスポットを外すと大きく方向性や飛距離を損なうようで、プロの技量に頼らざるを得ない。
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DSはもとより操作性を求める設計ではない。総重量が軽いわりにバランスがD2と重く、さらにシャフトフレックスが柔らかめの設定でずっしりとボールを運ぶ感覚に乏しい。
DH、DPに関しても方向性が落ち着かないことが操作性にも悪い影響を与えてしまっている。
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DSは丸型、DH、DPは洋ナシ型である。DSでロフトのあるスペック(10〜11°)のものはフックフェースが気になる。9°であれば前述したとおりそれほど気にはならない。
DPは購入前に是非実際に構えてみることをお薦めする。ボールの前にヘッドをソールすると、個体によっては大きく右を向いてしまうものがある。これを見てジオテック社のGPMドライバー(フェース角S2〜2.5°)を思い出してしまった。
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もともとマックテックの打球音と打感は悪評が高い。これまで低い水準で多少良くなったり悪くなったりを繰り返していたが、今モデルは若干の改善が見られる。
HPを探してみても打感、打球音に言及する記述は見当たらない。設計においても重要な要素ではないのだろう。
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DH、DPの購入を検討しているヘッドスピードの速い方も一度はDSを打って頂きたい。理由は上記のとおりである。ただしDSに装着されているシャフトはSフレックスまでの設定で実際のフレックスは柔らかめである。ヘッドが暴れてしまう方はカスタムシャフトに頼らざるを得ない。
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まず今回の試打ではユーザーカスタムシャフトを試打する機会がなかったことを報告し、これらに対しての言及は控えることをお詫びしたい。
DPシャフトに関してはDSと対照的で、かなり重量も重くシャフト自体の構成もヘビーである。DHシャフトに関しては可もなく不可もなく、あまり特徴的な印象は得られなかった。
DSがフィットしないのはボールが高く上がりすぎるスライサー。9°のものを選択すると右にすっぽ抜けることになる。
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