|
インパクトスピードという独自の概念によりナノテクノロジーを駆使し、飛距離アップを図る。
シャフトに異素材を入れるのはヨネックスの十八番で、今回もカーボンナノチューブ、ゴムメタルなる素材を純正シャフトに装填している。
さらに空気抵抗を考えたヘッド形状、独自の重量配分をしたグリップなど独自のアイデアが満載。
ヘッド形状も450と450Dと、2タイプをラインナップ。このうち石川遼プロはD(ドロー)タイプをチョイスしている。
|
某社のD−1グランプリで優勝したヨネックスのテクノロジーは健在で、石川プロが飛距離性能で契約先を選んだというのもうなづける。
飛距離性能が特別高いわけではないが、上位常連のジオテックのGTシリーズと似たヘッド特性で、初心者でもロースピンのボールになりやすい。
スペックに気をつけないとボールがドロップしやすい。ヘッドの上部で打てば打つほどスピン量が少なくなる。下部で打つと打感が硬くなり飛距離も出ない。
|
簡単にドローが打てるという観点から見れば、やさしいと言えるだろう。重心距離は35.9mmと、ヘッド自体も回転してボールを捕まえやすい。
しかしヘッド容積450ccだけあって、今時の大容量ヘッドのような大きさは感じられない。これはフェード仕様の450ではさらに顕著。スイートスポットや慣性モーメントが特に大きいと報告したレポートは特になかった。
|
ドローを打つために設計されているので、フェードボールは極めて打ちにくい。ヘッドの先で打つとドロー回転になりやすく、飛距離も伸びるが、ヒールよりで打つと打感が硬くなり距離も落ちる。
ボールの食いつきは悪くなく、ドローヒッターがその球の中で球筋をコントロールすることは出来るので、フェードボールを打とうと思わなければそれほどマイナス評価ではない。
|
450Dはフェース角は1.2度(ロフト9度は0度)だが、実際に計ってみると1.5度を超える。プロが使用するモデルはさすがにこんなに左をむいてはいないだろうが、購入前に是非一度店頭で構えてみて欲しい。
ヘッド形状はかなり忠実に円型に近い。構えた時に上級者が望むような芸術性は感じられない。
|
これには賛否両論、意見が大きく分かれた。まず特筆すべきは打吸音の小ささ。低い中にも金属音が感じられ、バチッという芯のある打感。
上級者であればあるほど高評価となった。総合的にはよく研究されている。
ナイキのように性能が最優先で打感や打球音は全く気にしないという感じではなく、恐らくヘッド内には打球音を良くするために色々な工夫がなされているだろう、そう感じさせる人工的な心地よさである。
|
純正スペックはシャフトの長さが45.25インチなのに対してクワトロテックMDは45インチ。総重量は純正290〜300gに対してMD310〜320g前後。
その他スペックによってフェース角、ライ角もそれぞれ微調整がなされており、いい加減に製作したわけではないことがわかる。
スペックを間違わなければどんなヘッドスピードにも対応できるが、易しさだけを追求したモデルではないので、アベレージヒッターが出来るだけやさしくゴルフをしようと思うのならば避けたほうが無難。
|
450Dはスペックを間違わなければ初級者から上級者まで使用可能だが、フェードボールを打とうと思わないこと。決め打ちすれば大きな武器となろう。
また、このモデルに限って言えば、アベレージヒッターは是非純正シャフトを試してみたい。ヨネックスの純正シャフトは独自の開発を古くから行なっており、飛距離性能には定評がある。
その際に注意したいのはグリップ。ヘッドからグリップまで一体で設計されているので、グリップを変更すると性能まで変わってしまう。購入時には出来れば予備で2〜3本一緒に仕入れておきたい。後々での購入は、費用と時間が余計にかかるものであるから。
一方やはり一番人気はクワトロテックMD。石川プロが使用していることもあり、ハード目に仕上がるので、背伸びをしないように注意したい。
残念なのはメーカー特注シャフトがMDシリーズのみということ。これは純正シャフトに自信があるということと、資本力の問題もあるのだろう。
参考までにクワトロテックMDシリーズの特性を掲載しておく。
従来のクワトロテックが典型的な走り系の飛距離重視の特性だったのに対して、上級者の要望に応える形で多少しなりを感じるように設計されているのがMD。クワトロテックは手元を硬くしてシートを4軸に使用したのに対して、MDは4軸シートを先端部に使用し先端の動きを抑えている。
同じヘッドスピードでも多少フレックスは柔らかく感じる。切り替えしが早いハードヒッターはトップでかえってシャフトが暴れる感覚があるが、しなり戻りはクワトロテックより滑らか。
ヘッドの重みを意識してヘッド位置を確認したいスインガー向け。
|