RatingGateでもおなじみ、評価の高いクロトシリーズの3代目。読者からの評価の要望の高いモデルである。とにかく廉価で高級感を演出しており、さらにはヘッド、シャフト共に多彩なラインナップを備えている。完全フルモデルチェンジと主張するがあまり目を引く機能は見当たらない。
以下の特徴はメーカーHP抜粋。
飛距離を追求した第3世代設計
反発性能だけに頼らない『飛び』を徹底追求
素材選びからの徹底した軽量化
ボール初速に適した重心位置設計
エネルギーを最大限伝えるスリットソール構造
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相変わらず飛距離性能は高い。もちろんスペックにもよるが、あまり練習量の多くないプレイヤーでもとりあえず振ってみれば最新テクノロジーに裏打ちされたオートマチックな飛距離性能を体感できる。プロパーにしてはヘッドを一つ一つ丁寧に作成している印象で、実際に複数のヘッドをGTS2で計測してみたが、どのヘッドの反発係数も平均的に高い値を記録していた。ミート率は1.5を超えることもしばしば。一つ一つのヘッドの均一性が高い。
RE10と比べるとどうかと問われれば、特にヘッドスピードの遅いシニアから、43m/s程度のアベレージヒッターに関しては更に飛ぶ印象がある半面、ある程度腕力のあるプレイヤーにはややアンダースペックになりがち。前作よりもややターゲットを下方修正した印象がある。
ちなみに昨今のトレンドであるドライバーの長尺化には対応している。標準重量は192gでホーゼル内部にウェイトを埋め込み可能なので、バランスを重く出さずに46~47インチ程度までレングスを伸ばす事が出来る。
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HPを見ると方向性ややさしさについては殆ど記述が見当たらない。これでは飛距離性能は高いが方向性については何も考えてないのではないかと一般ユーザーの方には推測されてしまうが、RatingGateの調査ではこちらも特に低評価ではない。
シニアから一般プレイヤーまでのターゲット層に関してではあるが、十分スイートスポットも広いしヘッドの挙動も比較的穏やか。
一言で表現すると、「自分では何かをするべきではない」ヘッドである。
注意点としては、ボールの捕まりが特に良いわけではないのでヘッドの力でスライスを抑制するのは無理ということ。
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ボールをまっすぐ飛ばす性能には長けているが、フックやスライス、ボールの高低を打ち分けるのは苦手である。特に純正シャフトではあまり極端に手首を使うとヘッドが暴れる。
ヘッド自体は大きくローリングする動きは弱い。
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容積は前作と同じ450ccであるが、投影面積はさらに大きくなった。これは当然フェース形状がよりシャローになった結果である。
フェース角に関してはロフトに関わらず全て+1.0であるが、実際にセットアップしてみると殆ど気にならない。
捕まりが良いクラブでもないのでハイロフトスペックに関してはもう少しフックの度合いを強くしても良かったのかなとも思う。
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唯一前作より評価が少し落ちてしまったのがこの打球音、打感である。ヘッドの剛性感が増した分、フィーリングが硬く、鈍くなった。
打てば確かにバキーンと遠くまで飛ぶと錯覚させるような大音量であるが、瑞々しさに欠けているのと同時に上品さがない。飛距離性能だけを突き詰め、打感に関する余計な機能を排除した結果であろうか。
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注意しなくてはならないのが同じロフト角でも前作のRE10よりボールの回転数と打ちだし角度が高くなっている点。46m/sを超える場合は9.5度でも飛距離を損なう可能性がある。
逆に高い飛距離性能を実感できるのは~44m/s程度までのプレイヤー。ヘッドスピードが低い分には全く問題ない。女性でも十分使用可能である。
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ヘッドの癖が少ないのでどんなシャフトにも合わないことはないが、ボールの回転数が高めであるのでボールが上がり過ぎてしまう人はワクチンコンポやクレイジーなどがお薦め。
純正シャフトはオーソドックスであり基本性能も高いが、とにかくフレックスが表示よりも柔らかめ。RE10の純正シャフトよりも0.5スペックはアンダーであることにも注意が必要である。
一つおもしろいのがトライファス社のフィアマ。ある程度ヘッドスピードの速いプレイヤーでもヘッドの暴れを抑えてかつ落ち着いた弾道が出るし、更には飛距離性能も高い。
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いままでのジオテック社の商品は塗装が少し雑なところがあったものの、このRE12に限って言えばかなり丁寧に作り込まれている。ロゴの塗装も丁寧で塗料のはみ出しなどもない。
ヘッドの色は赤みのかかったゴールドで、これまでの金色よりも品が良い。さらにはスペックによってブラックバージョンやプレミアムブラックなどもありどれも高級感が漂う。
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