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キャロウェイ レガシー

特徴

これまで大手メーカーの中では傑出した飛距離性能をユーザーに提供してきたキャロウェイだが、LEGACYに関しても、新設計を数多く盛り込んでいる。
まず、コンピュータ解析されたフェースデザインで、スイートエリアのフェース厚を極限まで薄くしている。これによりさらにスイートスポットをハイパーERCに比べ9%増大させているという。
さらに特筆すべきはケミカルミルドという化学薬品を使ってクラウンを極限まで薄くし、より自由な重量配分を可能にしている。これによりヘッド後方に、実に24gもの重量を設定することが可能となった。
ヘッドに関しては45インチ用、46インチ用に別々に設計。投影面積も大きく見えるように工夫されている。

飛距離

前作のハイパーERCがなぜランキングに長く君臨し続けているのか不思議に思っている人も多かっただろうが、どうしても大手メーカーの中でこれに勝る飛距離性能を持つものが存在しなかったのが実際。
今回のレガシーに関しては、実際にハイパーERCと打ち比べてみると飛距離性能は甲乙つけがたい。打感が柔らかい分飛んでいるという実感はわかないかもしれないが、同条件ではほぼ互角といって良いだろう。こうして精査してみると、やはりハイパーERCの飛距離性能は、発売された当時から群を抜いていたことがわかる。
弾道的には極端に球の上がった前作に比べて多少落ち着きを見せる。これは市場には発表されていないが、ハイパーERCがリアルロフトが+1.5度だったのに比べ、レガシーでは+1.0度に設定されているのが原因。
それでもまだまだオートマチックに飛距離性能を伸ばす類のヘッドで、ユーザーの技量を問わない。
また球離れもハイパーに比べて若干遅く感じるが、ヘッドの縦のギヤ効果によってボールのスピン量の少なさはトップレベル。逆にボールを浮かすことの出来ない人にとってはロフト選択を間違わないように注意したい。
キャロウェイの営業マンが、そろって飛距離性能を力説するのも納得できる。

やさしさ

ヘッドの投影面積はハイパーERCと比べて大きく感じるので、実際に構えてみるとやさしく感じるだろう。
また、ハイパーERCの最大の欠点であった、8.5度などのローロフトにおけるフックフェースも改良が施されている。
というのも、ハイパーERCをヘッドスピードの速い人が使用するには、フックフェースがきつく、捕まりも良い事がネックになっていた。これがなければRatingGateのランキングでも高ヘッドスピード層部門で上位にランキングされていただろう。実際にプロや上級者からもクレームや要望が多く寄せられていた。
ボールの捕まりが良いという他社インプレも多く見受けられるが、それはハイロフトのものに関してである。8.5度のものに関しては、確実に使いやすくなっている。

操作性

お世辞にも操作性重視のヘッドとは言えないが、ユーザーの工夫次第で多少はカバーできる。というのも、レガシーに関して言えば、ヘッドのトゥ上側でヒットすると、極端にスピン量が減り、ドロップしやすいのに比べ、センター〜ヒール気味が芯に当たり、球筋もコントロールしやすい。
従って操作性に関して言えば、このヘッドはフェードヒッターに有利に働きやすい。ドローヒッターは高く距離も出る分コントロールはしにくいだろう。
また、極端に打感が硬かった前作に比べて、今回は球の食いつきが良く、その点でも+評価。

構えやすさ

前述したが、ローロフトのものに関しては前作より格段に構えやすく感じる。ヘッドの投影面積も大きく感じ、ヘッドの座りも申し分ない。ロフトが大きくなるにつれフックフェースの度合いが強くなり、球の捕まりも多くなる。
ヘッド全体としては、性能を重視してデザイン性は後回しにしているので美しいとはいえず、上級者は慣れるまで時間がかかるかもしれないが、キャロウェイユーザーならば問題はないだろう。

打感

キャロウェイの飛距離を重視した歴代のドライバーに関しては、打感が硬いというイメージが強い。しかしレガシーに関してはこのイメージは当てはまらず、金属音を残しながらも打感は柔らかい部類に入る。
高い金属音がしないと飛んだ気がしないという人は違和感が出るかもしれないが、芯をヒットした時の感覚は、心地よい。こちらも+評価。
ちなみに同社のハイパーXは極端に打感が硬いのでご注意。

適性H/S

純正スペックはどれも300g前後でアベレージヒッターしか使用出来ない。また、シャフト自体の剛性感が低いので、こちらはあまりお勧め出来ない。
ヘッドスピードがある程度ある人はキャロウェイ独自のOPTI Fit System を利用して、自分に一番合うスペックを選択すると良いだろう。ただし、フィッターの選択を鵜呑みにしないで最終的には自分の判断でシャフトを選択したほうが良い。(理由は後述)
今回はハイパーERCの弱点であった高ヘッドスピード層にも充分対応可能なヘッドの仕上がりとなっているので、幅広いユーザーの支持を得ることが出来そうである。

推奨スペック

純正スペックの中に、45インチ、46インチの設定があり、そのシャフトの長さに対してヘッドも調整がなされている。46インチ用ヘッドに対しては、前述のケミカルミルドによって、ボールの捕まりを良くしている。これによって、長尺に起因するヘッドの振り遅れを補正している。
現在売れ行きとしては46インチ仕様がややリードといった感じだが、ヘッドスピードがある程度あれば、オーソドックスな45インチをお勧めしたい。この時は純正シャフトを選択しないことが肝要である。
また、ハイパーERCからの乗換えを考えている人に、以下の点をご注意いただきたい。
ハイパーERCのシャフト固定比率(接着寸)は38mm前後であったのに比べ、レガシードライバーは31mm前後と、極端な開きが出てしまっている。従って、全く同じシャフトスペックを打ち比べてみると、明らかにレガシーの方がシャフトフレックスが柔らかく感じてしまい、またトルクも太く出てしまうので、ボールのバラつきも大きくなる現象が多く報告されている。
従って、「ハイパーが調子が良かったので全く同じスペックで」という注文の仕方はしないほうが懸命である。高い買い物なので失敗しないように慎重に選択してもらいたい。

デザイン性

本文
クラブ性能レーダーチャート
※飛距離の基準について
 H/S 42m/s以下の方
 H/S 43〜46m/sの方
 H/S 47m/s以上の方
Fitting Map
※Fitting Mapでは、各要素のが縦に一直線に並ぶほどバランスが良い設計とみなされます。

総評

ドライバーにおいてもっとも魅力的なものは言わずもがな、飛距離性能である。古くはミズノの300S、PRGRのTR DUO、ヤマハのインプレス、そしてハイパーERCと受け継がれてきた飛距離伝説は、ここにレガシーに継承されている。今回のレガシーは、大手メーカーの中では傑出した飛距離性能を提示してきたといえるだろう。
さらに前作の欠点を的確に修正し、その他の総合性能でも大きく前進が見られる。ジオテックやEPONなどの地クラブにはまだまだ抵抗があるという人には強くお勧めできるモデルである。
またキャロウェイ自慢のOPTIFITSYSTEMだが、現在は設備のあるショップに、キャロウェイの営業スタッフが出向いて短時間の講習会を開催したりVTRによってフィッティングの方法を教えたりしている。フィッターの資格は比較的簡単に取得出来るものであり、これがあるからといって、全て信用してよいというものでもないことには注意したい。。
それにしても実勢価格が高いのが難点。同社のX−18が経費削減の為にシャフトのコストを下げたような小細工はしてもらいたくないが、それにしてもプロパー商品でこの価格帯は少し高いといわざるを得ない。
性能は確かに素晴らしいのだが、日本のサラリーマンには手が出しづらい価格だろう。中古で出回るのを待つのも手だといえる。

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