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R11ドライバー(日本仕様)テーラーメイド

特徴

ひときわ目を引くホワイトのクラウンが印象的なドライバー。各社ゴルフ雑誌がこぞって特集を組んだほど業界の注目度が高かった。以下メーカーHP抜粋
≫ 斬新なデザインと機能性を兼ね備えた「白い」ヘッド
≫ 新たな機能「ASP」
≫ 「3Dチューニング」によるトータルチューニング
≫ 空気力学と重心設計に優れたヘッドデザイン

飛距離

超ハードヒッターが一発の飛距離を求めてドラコンを狙うよりは、スコアメイク重視の上級者が重宝しそうな飛び方をするヘッドである。
まずスイートスポットはそれほど広くないのだが芯に当たらなくとも大きく飛距離を落とす事がない。ボールの弾道はプロ好みの落ち着いた球筋で、打ち出し角は決して高くはない。(もちろんシャフトやFCTなどによって変化はするが)
カスタムシャフトを含めてシャフトレングスは短めに設定されている。これは数値上では現れない。というのは計測方法の違いによるクラブレングスの誤差が存在するためである。純正シャフトのクラブレングスにおけるメーカー発表値は45.25インチであるが実際に計測するとかなり短い。
ただ不思議だったのはプロ、アマチュアを含めてこの短いシャフトでも他社長尺ドライバーにヘッドスピードでも引けをとらなかったことである。特にグラファイトデザイン社のDJシリーズ装着モデルに関してはヘッドスピードアップを果たしたプレイヤーが多く、最高数値を記録したアマチュアエージェンシーも存在した。ヘッドとのバランスが優れている証拠と言えよう。
総合的に判断すると、競技志向のゴルファーを対象とすれば平均としての飛距離性能は秀逸である。

やさしさ

決して誰でも簡単に芯に当たるようなモデルではない。むしろ芯は小さめと言って良い。ただ、オフセットヒット(芯を外すこと)した時でもスコアを崩すような大きな曲がり方をしないことが大きな特徴として挙げられる。
まず、トゥ側に当たった時、フェースは若干右を向くだけで完成モーメントによって大きく当たり負けはしない。ボールは右に飛び出したままゆっくりとフック回転になる。トゥに当たれば当たるほどボールの弾道は低くなりOBゾーンに吸い込まれる前にラフに落ちるだろう。打感は硬くなりオフセットヒットした事を教えてくれる。
ヒールに当たるとトゥとは逆にボールの弾道は高くなる。フェースは大きく右を向くがギア効果によって戻ってくる。飛距離は落ちるがフェアウェイを確保する可能性もある。クラブの進化を実感するのはこんな時ではないだろうか。
気をつけなくてはいけないのはフェースを右に逃がしたままヒールに当たった時だ。もともと捕まりの良いヘッドではないのでボールは大きく右方向に飛んで行ってしまう。

操作性

標準シャフト、カスタムシャフト共に比較的シャープでうまくヘッドの鈍感さを補ってくれてはいる。ただ革新的な機能をいくつも搭載した最新機であるので、じっくり手になじみ自分の感覚と一体となるというよりはむしろクラブの性能頼みの面が大きい。
純正モトーレよりDJシリーズの方がフェースにボールが乗る感覚が強く、プロの操作性における評価が高いことは言うまでもない。

構えやすさ

R11は予想に反して構えやすさに関してプロの評価が際立って高い。まずは誰もが気がつくクラウン部のマットホワイトである。この色のお陰で小さめの440ccが460ccにも膨張して見える。断わっておきたいのは、R11は決して初心者向けのシャローフェースでヘッドの投影面積を大きく見せようとはしていないということである。それどころかむしろ重い球の出そうなディープフェースと言っても良い。この形でこれだけ大きく、安心感を見せてくれるヘッドは今まで存在しなかっただろう。
さらにフェースの向きが良い。9°、10.5°共にストレートであり、実際に構えてみると若干オープンにも見えるプロ、上級者向けの顔つきである。ヘッドの形自体も以前の醜い三角形を脱却しており、こちらも高評価であった。

打感

残念なことに打球音、打感に関しては及第点は与えられない。
まず総じて感触が硬い。色々な機能をゴチャゴチャとヘッドに搭載したためか、何か複雑なブラックボックスを叩いたような、何とも言えない打感である。それは芯に当たっても同様で、ゴルフの楽しみを一つ減らしているようなものである。
特にトゥに当たると殊更にガチガチの硬いツーピースボールでも打ったのではないか勘違いしてしまいそうである。

適性H/S

DH、DPの購入を検討しているヘッドスピードの速い方も一度はDSを打って頂きたい。理由は上記のとおりである。ただしDSに装着されているシャフトはSフレックスまでの設定で実際のフレックスは柔らかめである。ヘッドが暴れてしまう方はカスタムシャフトに頼らざるを得ない。

推奨スペック

フジクラのモトーレとグラファイトデザインのDJ-6がラインナップされている。
オススメは圧倒的にDJ-6。モトーレに比べてボールの質がぐっと重くなりアゲインストでもボールが吹け上がることなく、スコアメイクをしやすい。
ビンビンと手に残る感覚が欲しいならばモトーレでも良いが、飛距離、方向性共にDJ-6に劣る。
同じフレックスで比べてみると、モトーレ55とDJ−6ではモトーレの方が硬く感じるだろう。
クラブ性能レーダーチャート
※飛距離の基準について
 H/S 42m/s以下の方
 H/S 43〜46m/sの方
 H/S 47m/s以上の方
Fitting Map
※Fitting Mapでは、各要素のが縦に一直線に並ぶほどバランスが良い設計とみなされます。

総評

テーラーメイドのいやらしいところは、ドライバーの新作を発売するときはかならず460ccに満たないものを発表しそのあと徐々に市場の反応を見ながらより簡単で完成度の高い460ccモデルを発表するところであろう。ツアープリファード、r7などすべてその手法をとってきている。今回も間違いなく何ヶ月後かには460ccモデルを「MAX」などの名前で市場に投入してくるだろう。
以前のテーラーメイドの三角形異型ヘッドをRatingGateで酷評したことがあったが、今作はその点もしっかり改善された。
どのメーカーも似たり寄ったりのドライバーを発表し続ける中で、今作はかなり完成度の高いモデルであることは間違いがない。これから購入を考えている人は、上述した未来の460ccモデルを考慮に入れた上で検討して頂きたい。

ギア情報

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