まずフェースのデザインを見てほしい。羽根をイメージしているのだろうか、不可思議な幾何学模様が施されている。(写真参照)これまでのドライバーヘッドの常識を大きく逸脱している。メーカーによると70層のカーボンをフェースに採用しているとのこと。どうやらこれをアピールしたかったのだろう。しかしそれが何故か安っぽい。さらにクラウンもガンメタシルバーに独特の紋様がプリントされいる。こちらは好みがわかれるところである。 実際に構えてみるとフェースは極端なフックフェース(ストレート設定時)で、さらにヒールの最深部は極端にネック寄りに配置されヘッドはインサイドに引きやすいようにデザインされている。これではスライスは止まるであろうがいずれチーピンが止まらなくなりそうである。とにかく実際にショップに赴きアドレスをとってもらいたい。これで他のフェアウェイウッドやアイアンとどうやって感覚の互換性を保てというのだろうか。(写真参照)
以前、マグレガー社のマックテックも同じデザインのドライバーを発売したが結果はもちろん惨敗。これはテーラーメイド最大の汚点となり得る駄作と言わざるを得ない。設計としては合理的で良い数値が出ているのかもしれないが、ゴルフは数値ではなくヒューマンテストが最も重要なことは言うまでもない。そのヒューマンテストを一般ユーザーで市場テストをしないで欲しい。
なお反発力は高い。フェースもフェースラインと並行にさらに細かいヘアラインが刻まれておりこれも影響しているのか?と思うが飛距離性能は高水準にあった。
ここで歴代GROIREの比較をしてみよう。一代目から三代目のGROIREの変遷を一言でいうと、まず一代目GROIREはかなり捕まりの良いモデル。しかしながらヘッドの挙動が不安定であり方向性に難があった。そこでテーラーメイドは二代目(Reserve)でこの点を修正、ヘッドの直進性、挙動の安定性を向上させた結果、今度はボールの捕まりが犠牲になってしまった。そこでこの三代目
新グローレ・スピード・フェースの登場である。
ヘッドのバランスとしてはつかまりもそこそこ、直進性もそこそこという、一代目、二代目の中間的性格。また一代目GROIREはαβチタンという素材を使ったが今回(三代目)はボディの随所にカーボンを用いている。少しずつ調整を重ねながらユーザーの対応に四苦八苦するテーラーメイド。新商品発売のスパンが1年と短い理由もこれで納得である。