飛距離性能で話題になったバルド8Cクラフトドライバーよりもより上級者向けにターゲットを移したモデル。HPでは詳細なインフォメーションは少なく何か新しい機能が搭載されているわけではなさそうである。
ヘッド体積も450cc、さらにディープフェースでかなり引き締まった印象がある。可変式ウェイトを装備しており、ヘッドバランスを変えることが出来る。
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RatingGate読者の方も掲示板などで名前くらいは聞いた事があるだろうか、それだけ注目度の高いモデルであった。しかし残念ながらヘッド自体の飛距離性能はごく平均的である。コースボールを使用したテストでもマシン計測の値でも報告すべき特徴は確認出来なかった。
決して飛ばないわけではないが他モデルに比べて大きく傑出する要素は見当たらない。ヘッドスピード45m/s程度で初速も64m/sを超えてこない。スタッフプロも何球か打っただけで初速に変化がない事を指摘していた。
ハードヒッター向けと言っても極端にボールが上がりにくいことはないが飛び方は落ち着いておりアゲインストでも大きく吹けあがったりはしないだろう。
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大きなマイナスポイントとなってしまったのがスイートスポットの小ささである。芯を外すと大きく飛距離を損なう。特にヘッドのトゥ側に当たるとヘッドはクルリと向きを変えてボールはシャンクしたように右にヘろへろと飛んでいく。他のヘッドに比べて大きく飛距離を損なうのでこれではいくら上級者でも競技で使うのは難しいだろう。
ヒール側に当たった時は比較的安定して左に出た後フェアウェイに戻ってくる。
ちなみに一見するとディープフェースでかなり手ごわそうに見えるがボールの上がりは見た目ほどシビアではなくボールの回転数も適度にある。最適高度までボールを浮上させることはそれほど難しくはない。
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前述したとおり、ヘッドのトゥ側に当ててギア効果でフックをかけるのはリスキーでお薦め出来ない。
低い球は比較的得意であるが、天に届くようなビッグボールは打てない。
もともとヘッドは開いて当たりやすいが挙動は鋭敏で実際の重心距離も短いので、フェースは手首の力で簡単に閉じることができる。
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ヘッド形状は丸型と梨型の中間型形状。アマチュアでも上級者やスタッフプロには高評価であった。実物を見たい方はHPにリンクのあるバルドマガジンから閲覧できる。
フェースの向きはほぼストレートであるが個体差はあるだろう。
ディープフェースで450ccよりも小さく見える。8Cクラフトとの差は一目瞭然である。
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一球打つたびに手に残った硬い感触は決して優れているとは言い難い。芯を喰ったとしてもそれでもなお硬い。まだまだ改善の余地がありそうである。
打球音は低めの金属音が強く「ガキッ」といった感じ。これもマイナスポイントとなってしまった。そもそもゼクシオのように大きく高い打球音はヘッドスピードの遅いユーザーが少しでも期待感を得るためのものである。硬い打感と硬い金属音はヘッドスピードの速い上級者が求めるものではない。
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もちろん装着シャフトにもよるだろうが、基本的にはハードヒッター仕様なので45m/s以上は欲しい。それ以下だと芯をヒットしてもかなり打感は硬くてしまう。
一つ注意したいのはロフト表示について。JBEAMなどと同じくリアルロフト表示なので10度のものでも他社メーカーの9度程度と同等と思った方が良い。
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よく反応するヘッドなのであまりトルクの少ないモデルを入れると方向性に難が出る。
飛距離重視ならファイヤーエクスプレス、バランス重視ならアッタスなどの汎用性の高いシャフトがお薦め。クレイジーはボールが上がりにくくなるので吹け上りを抑えて飛距離を稼ぎたい人には良いだろう。
RatingGate推奨ショップでも販売されているがヘッド単体でも楽天などで取り扱っているので各自で調べてみたら良いだろう。(BALDO(バルド) COMPETIZIONE DRIVER コンペチオーネ ドライバー ヘッドのみ)
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