三菱レイヨン、ディアマナシリーズの中で、08年限定発売というプレミアムモデル。
バット部にアモルファス金属をコンポジットし、その高い弾性によって、切り返しでの自然なため、撓みを確保。また切り替えしで蓄えたパワーをシャフト先端へ効率的に伝え、安心の操作性とヘッドスピードの向上をもたらすという。
微細精密設計という名の通り、シャフト合成を見ても、手元が柔らかく、センター部に若干硬さを持たせ、なおかつチップ側には適度な柔らかさをもたせるという、細かい設計が見られる。
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左記写真で輪の模様の見えるようなものがアモルファス金属である。
アモルファスといえば、10年以上前からダイワ精工の専売特許ともいうべき技術であった。 |
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アリスレイの評価で最も低いのがこの飛距離性能。特にボリュームゾーンの63、73についてはボールの回転数が抑えられていない。クレイジー社のCB50LSと比較すると、平均でなんと400回転以上の差が出てしまった。(屋内コンピュータ計測による平均値)
シャフトを手元からしならせる割にヘッドが走る傾向が残り、表示よりも実際のフレックスよりも柔らかくなってしまう為、ヘッドの挙動でボールの回転数が増えてしまう傾向がある。
シャフトフレックスを硬く設定するとシャフト自体の重さも手伝ってしなりが少なくなってしまうので、どちらにしても飛距離が伸びない。
比較試打で、同ヘッドで別シャフトのものと比べると平均で5〜8ヤードもロスしてしまった。またアマチュアスタッフのレポートでも飛距離性能で評価が高いものは無く、結論は一目瞭然。
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スイングのインパクト前にシャフトがしなり、ヘッドがボールを捕まえる感覚が残ることと、全体としてフレックスが柔らかく感じるので、スペックを間違わなければ十分アベレージヒッターでも使えないという訳ではない。
これまでのディアマナのような剛性感は殆ど感じられない。また、ボールを押して運んで行くようなフィーリングを求める人は、ヘッドが暴れすぎずに方向性が安定するだろう。
そのかわり、プロが求めるような繊細なフィーリングは得にくい。
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一番ハードな83シリーズでもトルクは3.1。また実際に試打をしてみてもこの数値の通りの感覚で、ヘッド自体の位置がぼやけてしまう。
一言でいうと、振り遅れていないのに振り遅れていると感じてしまう。実は上級者が一番嫌うこの感覚は、球の出だしが安定しない原因になる。
シャフトがボールを押していく感覚は強いので、ディアマナのMシリーズに比べれば操作はしやすいが、Dシリーズのような秀逸な方向性ではない。
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構えてみると、以外にずっしりと重量感はあるが、トップからまったり、ゆっくりとしなってきて、インパクトのちょっと手前でヘッドがふっと走り出す。
前述したように、振り遅れていないのに振り遅れているように感じてしまう。
結果、スイングを壊す原因にもなるし、何より気持ち悪く感じてしまう。
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表示よりは実際にロースペックなので、アベレージヒッターに向いているように思われるが、ヘッドスピードの遅い人が使っても、飛距離、方向性の向上は望めない。
必ず1フレックス固めを選択すること。要試打である。
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加瀬秀樹プロや尾崎建夫プロのようにスイングリズムが遅く、しかしヘッドスピードの速いスインガーであれば、シャフトの特性を生かせるかもしれない。トップでパッパッっとリズムよく振る人には合わない。
またディアマナDシリーズのような押していく感覚が欲しく、もう少し捕まりをよくしたいということであれば適応になる。
対抗馬としてはランバックスXシリーズが挙げられるが、言わずもがな、こちらの方が完成度が高い。
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