キャロウェイとしては新規参入部門である軟鉄鍛造アイアン。2008〜9年モデルの概要は以下の通り。(メーカーHP抜粋)
抜群な抜けを実現するソール形状
リーディングエジッジとトレーリングエッジを大きく研磨することで、ソールの厚さを感じさせることなく、あらゆるライからでも、優れたソールの抜けを実現します。
優れた飛距離性能とコントロール性能
極薄ハイストレングス・スチールフェースと、セミストロングロフト設計の相乗効果により、ボールを芯でとらえやすく、最適な高弾道で飛距離性能にも優れています。
また、セミグース設計で、短めの重心距離設計となっており、コントロール性能を高め、さらにノッチ・ウェイティングシステムにより、高慣性モーメントと方向性の精度を高めます。
豊富なシャフトラインナップ
高弾道で飛ばせる軽量のカーボンシャフト。
安定した高弾道で、操作性とつかまりがよいトゥルーテンパー社製軽量スチールシャフトGS95。インパクト時にシャフト先端が加速して、しっかりボー
ルをコントロール M10 DB。
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相変わらずレガシーアイアンの飛距離性能はトップクラスである。ショートアイアンからロングアイアンまで全番手においてキャリーが大きい。
これはストロングロフト設計に起因するものもあるがやはりヘッド単体の性能による影響が強い。特筆すべきはボールの回転数が平均値よりも際立って少なく、特にミドル〜ロングアイアンでは重く風に強い弾道が得られるということ。
ショートアイアンでも同じように棒球になってしまうので、硬いグリーン上でボールを鋭く止めることは苦手であるが、そのデメリットが大きく作用するのはトップアマくらいのもの。
また、レガシーアイアンはかつてその飛距離性能が話題になったERCアイアン(フォージド、フュージョン)に比べると、同番手間の飛距離は若干落ちる。買い替えユーザーは注意が必要。
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どこに当たってもまっすぐ飛んでくれるという類の設計ではないものの、プロモデルの軟鉄鍛造よりははるかにスイートスポットは広い。
また普通5番アイアンで打つべき距離を7番アイアンで打てるとしたら、それは一つの易しさと定義出来るのではないだろうか。飛距離の圧倒的なアドバンテージが易しさにも影響を及ぼすと言えよう。
ちなみにボールの捕まりが極端に良いので、左の怖いフッカーには適応にならないことに注意したい。
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ボールの食いつきは予想よりも良く、以外にも劣悪なレポートは見られない。
ボールの回転数の少なさから弾きの良いフェースというイメージが付きまとうが、ヘッド形状がやや小ぶりなこととヘッドが思ったよりも機敏に反応してくれることにより想定したサイドスピンを与えることも苦手ではない。
またトップブレードが以前より意図的に薄めに設計されており、以前のレガシーにはなかったシャープさまで演出している。ロジャークリーブランドの手腕によるところも大きいのだろう。
また、メーカーが強調する抜けの良さはまさにその通りで、試しに厚く(ダフリ気味に)インパクトを入れてみても、思いのほかヘッドの抵抗が少ないこともわかった。
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実際にアドレスをとってみると、程よく小ぶりな印象である。これはヘッド形状による感覚も大きいようだ。
キャロウェイの代名詞であった大きなグースも見られず、プロレベルでも違和感は感じないほどである。ただし実際にはヘッド自体はよく捕まる。
以前のビッグバーサに慣れている人にとってはシャープさに戸惑いを覚えるかもしれない。
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予想に反して打感も高評価のものが殆ど。スタッフプロも意外な表情を浮かべた。
多少の芯は残るものの打吸音もマイルドでありおおよそ実際の打球からは想像がつかない。複合ヘッドの柔らかさもプラスに作用し、同社X−フォージドアイアンよりも気持ちが良いといったレポートも見られた。
これまでのビッグバーサに代表されるキャロウェイの打感をイメージしている人には信じられない程の進化を見せている。
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女子ツアー選手が使用することからも、上級者にも十分対応可能であるが、ヘッドスピードが速くなるとショートアイアンの距離の差が大きくなり、間を埋めるクラブがもう一本必要になる。
ローヘッドスピーダーでもカーボンシャフトを使用することで適応になるが、純正シャフトの出来があまり良くないのは歯がゆいところである。
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カーボンシャフトが2種類ラインナップされているが、基本性能や精度の均一性では可もなく不可もなくといったところか。
M10スチールはユニフレックス(1フレックスのみ)であり、一般にはS〜SRに相当すると言われているものの、実際にはプロプレイヤーも使用する。
カーボンシャフトであればリシャフトがお勧め。RatingGateではディアマナサンプ、クレイジーLYシリーズを推奨する。価格は高くなってしまうがクラブの総合的な性能が1ランクアップする。
特にディアマナサンプに関してはバランスが軽く出てしまう傾向があり、普通に組み上げると5gもの鉛装填を必要とする。高度な技術を要するので作成経験の豊富なクラフトマンに依頼するのが良い。
GD社のADプロはシャフトの均一性に大きな問題があるため、品質が改善されない限り推奨はしないこととする。
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コンセプトとしてはレガシーブランドは日本向けに設計されている。仕上がりは基本的に丁寧で軟鉄のサテン仕上げも美しい。
また、バックフェースは高級感があるが、装飾が施されているため、他社の軟鉄鍛造モデルほどシンプルではない。軟鉄好きの上級者には受け入れにくいだろう。
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