2010年モデルになり大きくフルモデルチェンジを敢行したドライバーに比べて、アイアンはどちらかというとマイナーチェンジのイメージが強い。
コンピュータでシミュレーションしたオートパワーインパクトは旧ゼクシオから引き継がれており、フェース素材にドライバーと同じチタン素材を使用したり、タングステン・ニッケルウェイトを装填したりと細部まで設計に妥協がない。
フェース素材やシャフトなどの素材、コンセプトなどもゼクシオ専用に設計されている。
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ゼクシオの素晴らしいところは、飛距離性能と易しさを両方高い次元で達成しているところである。前作と同じくショートアイアンからロングアイアンまで一貫してキャリーは良く出るし、ヘッドスピードが遅くてもボールがお辞儀するような事も少ない。
前作よりも若干打ちだし角が高くなっており、更に高弾道である。重心を更に下げてきているのだろう。
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メーカー発表ではスイートエリア(反発エリア)が5%増大しているということだが、人間の感性ではおおよそ判定は出来まい。そうは言っても芯を外した時でも飛距離が落ちにくく、極めて簡単であることは間違いがない。
ハーフトップした時でもヘッドがボールを掻きだすように拾ってくれるので、ボールが良く浮いてくれる。実は前作ではソールが薄くなりユーザーの反応があまり良くなかったという。それを踏まえて6代目では4代目と同等の厚さに戻してきた。実際に裏返してソールを見てみると、なるほどかなりでっぷりとした印象がある。
球の捕まりは良いが、決して極端ではない。上級者が左を怖がらなくても良いように設計されている。ゼクシオの開発者はゴルファーの心理をよく分かっているようだ。
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フェース自体にドライバーと同じ素材(SUPER-TIX For XXIO)を使用している事もあって、球離れは早い。
ヘッド自体も縦長で鈍感であり、例えば大きなフックボールをかけようとすると、ヘッドが返り切らず右にすっぽ抜けたりする。
ラフでは芝の抵抗が大きくなるし、ベアグラウンドなどからジャストコンタクトしたりするのは苦手。
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実際に構えてみると、5代目よりもフェースとブレード、フェーストバックフェースとの境目に刺々しさがなくなってきている。
以前のビッグバーサアイアンのような箱型のイメージよりも、オーソドックスなキャビティアイアンのようななめらかさが出てきた。
グースは前作と同じく強めでボールを包み込むイメージが強い。
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上級者で軟鉄鍛造の打感を知っている人は硬いと感じるかもしれないが、チタンフェース装着モデルにしては打感は重厚で吸いつくような感覚も持つ。
芯が広いのでどうしてもぼやける感じがあり、その意味では上達の助けにはならないものの、各社が発売している類似モデルから比べると健闘しているといえる。
カーボンシャフトよりもスチールシャフトの方が、ヘッドの打感の硬さと打球音の悪さを中和している様に思える。
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ゼクシオシリーズにはよりシニア向けのプライムも発売されているが、こちらの方でも十分ローヘッドスピード層に対応している。それだけボールも上がりやすく、飛距離性能も申し分ない。
ヘッドスピードが早くても、47m/s程度までは十分にヘッドの性能を引き出してくれそうであるが、44m/sを超えそうならば後日発売されるゼクシオフォージドを視野に入れるのも良いだろう。
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カーボンシャフトもスチールシャフトもヘッドとの相性は良い。それもそのはず両シャフトともヘッドを中心に専用に設計されているからである。
さらに両シャフト共にヘッド装填部から数インチのところに大きくしなる個所を設定している事も共通している。実際に試打してみても、どちらも抜群の相性を見せる。
前述したように、打感の硬さを目立たせなくするのはスチールシャフトである。
また、4、5番アイアンを使わずに同じゼクシオのユーティリティやFwを使用するプレイヤーも多い。同じ距離を打つのであればその方が断然易しいからである。
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性能がマイナーチェンジならデザインもマイナーチェンジ。前作とのバックフェースにおけるデザイン上の違いはごくわずか。それでもヘッドの質感は高級感に溢れ、ゼクシオユーザーのステイタスを高めることこの上ない。
ちなみにドライバー、アイアンともにカーボンシャフトはツートンカラーに塗装することによって視覚的にシャフトを短くさせる効果を狙っている。
余談ではあるがレディスモデルのシャフトにもカラーカスタムがあり、純正シャフトカラー(ブラック)は全く人気がない。
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