RatingGateでも高評価を得たPP(PassingPoint)9001の姉妹モデル。9001よりターゲットを初心者向けにシフトさせ、さらに広範囲のユーザーに照準を広げようとしている。
以下メーカー抜粋
ショートホーゼル設計を徹底することで、ヘッド部分の重量を理想の弾道に対し最適に配分。高弾道でありながら、前にまっすぐ進む強弾道を実現しました。セミグースネックで捕まりがよく、ミスヒットにも強いワイドスポット設計
|
飛距離性能はPP9001と同等である。三浦技研にしては珍しくストロングロフトでショートアイアンからロングアイアンまで良く飛んでくれる。
しかもボールも良く上がってくれるのでグリーン上でも止まってくれる。弾道としては伸びあがるような勢いのある球ではなく、高打ち出しで落ち着いている感じ。ボールの回転数は低めである。ボールは力強い弾道で前に前に飛んでゆく。
また番手間の飛距離が一定である点も前作と同様である。
|
PP9002は、9001よりさらにスイートスポットを向上させミスに対する許容範囲を広げている。トップブレードもソールも厚みを増し、どっかりと腰を落ち着けるそのフォルムは初心者にはより安心感を与えてくれるだろう。
しかしこの進化は、同時に三浦技研が三浦技研たる所以の特質を失わせているような気がしてならない。以前、三浦技研が追及する「やさしさ」を、結果を無理に矯正するものではなくゴルファー本来の能力を引き出すようにやさしくプレイヤーをナビゲートしてくれるものだと説明した。ところがPP9002はこのような、プレイヤーの技量を底上げしてくれるような厳しさやシャープネスが見当たらないのである。
確かにPP9002にはこれまでの三浦製のアイアンにはないような優しさがある。ただ誰もが初心者のうちに一度は経験する様な、何百球も練習するうちにたった一球だけ芯でとらえた爽快な感覚、目から鱗が落ちたようなあの打感を得ることが出来ない。
その喜びがなくても良いならばわざわざ三浦製のアイアンを使わなくても良い。大手メーカーの初心者用モデルと何ら変わりが無くなってしまう。
|
ヘッドには三浦技研特有のシャープな感覚が見られない。球離れが早いわけではないがヘッド自体は鈍感で、上下の打ち分けがしづらいばかりかショートアイアンでラインを出してピンを狙うようなテクニックにも向いていない。
|
前述したように、ヘッドのトップブレードやソールは厚くなり立体感が増し、グースも強く出ている。RatingGateスタッフプロのほぼ全員は顔をしかめるような出来栄えである。このヘッドでどうやって深いラフからピンをデッドに狙って行けるというのだろう。
初心者に対してはより投影面積が大きく感じ、ボールも包み込んでくれるかもしれない。
|
実際にPP9001と打ち比べてほしい。明らかにこちらの方が鈍く、重い。(もちろん軟鉄鍛造のヘッド中での話である。)
ロングアイアンが真に当たっても乾いた「ピシッ」という音ではなくどこかだるくて倦怠感に悩まされる。試打を何球か繰り返すと「これでは駄目だ。」と落胆の声がスタッフから漏れた。
アイアンの真骨頂はロングアイアンでの打感にあるといっても過言ではない。ドライビングアイアンでラクラクと220ヤードを飛ばすRatingGateプロスタッフの目はそうそうごまかせるものではない。 |
|
|
ヘッド特性から考えるとある程度ヘッドスピードが遅くても使用可能であり、ハードヒットすればするほどプロパーモデルとの差がなくなってくる。Pwで45°Awで50°である事にも注意しよう。
カーボンモデル仕様は受注生産であるが、ヘッドスピードが遅い人をターゲットにするならば、むしろこちらのスペックの方を大いに推奨するところである。
|
オーソドックスなスチールシャフトでも良いが、より簡単にヘッドの性能を生かしたいのであれば、カーボンシャフトをお薦めする。スチールシャフトで作成してヘッドの鈍さをカバー出来るものではない。それならばある程度シャフトに仕事をさせて、シャープネスの増大を狙った方が良い。
ただ、今回は実際にカーボンシャフトを装着して試打を行う機会に恵まれなかった為に、特定のシャフトを推薦することは控えたい。狙い目としては中〜先調子であまり重量が重くないものが良いだろう。
|
仕上がりとしてはPP9001と変わらず丁寧に作成されている。カラー塗装もはみ出たりせずサテン仕上げも丁寧である。
デザイン性としては前作の方がシンプルで良いとする声が多かったものの、こちらも決して低評価ではない。
|