なんといってもこのゼクシオの新機能は軟鉄鍛造ボディに鍛造の高強度クロムバナジウム鋼フェースを複合した「軟鉄鍛造複合構造」である。
前作も大ヒットモデルであったが、この新モデルもノーマルのゼクシオと合わせて売り上げのNo1記録を更新中である。
以下、メーカー抜粋
■高反発化とスイートエリア拡大により飛距離がアップする「軟鉄鍛造複合構造」
軟鉄鍛造ボディと高強度クロムバナジウム鋼フェースを複合。従来モデルよりも開口部を大きく薄肉部を拡大したことによりスイートエリアが拡大。また薄肉化したフェースにより高反発化を実現。ストロングロフトと相まって飛距離がアップします。
■楽にボールが上がり、方向安定性がアップする「薄肉軽量フェース+アンダーカットボディ」
フェース部の薄肉軽量化とアンダーカットボディにより、余剰重量をソールに配分。同時にソールのトウとヒール部分にタングステンニッケルウエイトを装着したことにより、深低重心化を実現。ボールが上がりやすく、方向安定性もアップします。
■マイルドな打感が得られる「軟鉄鍛造複合構造」
軟鉄鍛造ボディに鍛造の高強度クロムバナジウム鋼フェースを複合した「軟鉄鍛造複合構造」により、軟鉄鍛造アイアンに近いマイルドな打感が得られます。
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7Iで30°というロフト角から見てもわかる通り、飛距離性能は高い。
フォージドとノーマルモデルでは若干フォージドの方がキャリーは落ちるものの(実測値で平均4ヤード程)それでもまだ飛び過ぎてショートアイアンの距離の差が大きい。
ちなみに3I〜5Iではロフトの差は2°程であり、やはりそれなりのヘッドスピードがないと、ロングアイアンで飛距離の差が出ない。
フェース自体の弾きも悪くなく、ボールの回転数は少なめでスーッと糸の引いた様な球筋になりやすいことも特徴の一つ。
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SRIスポーツの思惑としては中級者〜上級者をターゲットにしているのだろう。ヘッド自体はシャープな顔つきながらミスヒットにも寛容で、ヘッドの挙動も穏やかである。
比較対照モデルとして打ち比べたスリクソンGiEと比べても、オフセットヒットした時の球のブレはこちらの方が少なかった程。
ただ、アイアンを払って打つようなタイプの人、つまりヘッドの入射角が穏やかな人には設計的に芯に当たらないのでご注意。
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前作に比べても若干球離れが早く感じるのは残念なところであるが、それ以外は操作性も良好である。
何より球の回転が抑えられていて、上級者であるほどコントロールしやすい。
ボールの捕まりもほぼナチュラルなので、自身のスイングに忠実に球が飛びだしていく。
ピン筋にボールを飛ばすことが出来た時、それは自分の実力でラインを出したのだ と実感できるような、そんな心地よいフィーリングである。
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まず、グースネックが強めであることは、ゼクシオブランドである限りはなくならないであろう。フォージドとはいえ、、ゼクシオとはそういうモデルなのである。
また、トップブレードも厚め、さらにトップブレードのトゥ側の丸みによって、捕まりやすさも演出しており、顔つきも細部まで良く研究されていると言って良い。
これだけポケットキャビティの特色を多く持っていても、実際に構えてみると、どこかシャープさを感じるのは不思議である。
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今回不評であったのはこの打感と打球音。前作まで、それなりに健闘していただけに、フォージドとは名ばかりで、ノーマルのゼクシオよりはまあましかなといったレベルに留まった。
気にならない人には気にならないかもしれないが、目の肥えた人にとっては硬く金属音も強すぎる。
どうして高強度クロムバナジウム鋼をフェースに使ったのだろう。飛距離性能向上のためだろうか?メーカーHPを見ても具体的なインフォメーションは見つからない。
とにかく軟鉄鍛造の吸いつくようなフィーリングからは遠い打感であった。
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ロングアイアンのロフト角から考えて、43m/s以上は欲しい。ただ、ヘッドスピードよりもむしろハンデキャップとスイングタイプで適応を考えてもらいたい。
前述の通り、払って打つ人には合わない。芯で捉える為には多少のダウンブローが必要であるからである。
また、あまりにも初心者ではクラブの機能を最大限に生かすことは出来ない。ただし、これからたくさん練習を積んでトッププレイヤーの仲間入りを果たしたいと思うプレイヤーに、このフォージドとノーマルゼクシオのどちらかと問われれば、もちろんフォージドを薦めることは間違いない。
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今回の試打ではカーボンシャフトの方が若干キャリーに差が出たものの、大切なのは秀逸なヘッド性能を損なわないことであると考えればお勧めはスチールシャフトである。
ただ、さすがにダンロップの冠モデルだけあってカーボンシャフトの出来も悪くなく、ノーマルゼクシオとはまた別設計の専用モデルとなっている。
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フォージドモデルだからといってどこか特別なカラーリングは特になく、いたってオーソドックス。
スタッフ全体の意見では前作の方がセンスが良いらしいが、今回のモデルも何か眉間にしわが寄るような無意味な装飾はない。
仕上がりも、複合金属の接合部も丁寧で特にケチをつけるようなところはない。
それはそうだろう。もしゼクシオにそのような粗が見つかったならばSRIスポーツ自体が存続できないほど、このブランドへの依存度は高いのだから。
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