実物を見てびっくりされた方も多いだろう。2010年モデルはフルモデルチェンジの年である。ヘッド形状が大きく変わって円盤型となり重心が大きく後ろに移動した。
フェースやシャフトに関してもゼクシオ専用に設計されたモデルであり、丁寧に、かつ慎重に作り上げられていることがわかる。
シャフトのツートンカラーは視覚的に出来るだけ短く見せようとデザインされたもの。
今作の一番の売りはオートパワーインパクト。インパクト前にヘッドの後方部が下にさがりインパクトロフトが大きくなり、まるでアッパーブローで打つかのようにスピン量の増加を抑えて打ち出し角を高くすることに成功したという。
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メーカー発表ではヘッドスピード40m/s相当で5ヤードの飛距離アップを実現したというが、実際の試打ではヘッドの飛距離性能に差異は感じられなかった。ゼクシオご自慢の、 ~打つだけでアッパーブローの効果が得られる~ という新機能も、実際に試打してみるとああそんなものなのかと思う程度。
とはいってももともとよく飛ぶゼクシオの事であり、他社メーカーのプロパー品に比べると飛距離性能は高い。
今回シャフトレングスが長くなり46インチとなった。実際に打ってみるとやはり長尺化の影響は出て来ており、力がない人には少ししんどいかもしれない。もし前作のドライバーでまだ多少体力に余裕があるな、もしくは少しシャフトが頼りないな、と感じている方にはヘッドスピードアップが望めるだろう。
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直進性は向上がみられる。ヘッド形状からくる高慣性モーメントの感覚もよく感じられるし、なによりシャフトとのトータルバランスが素晴らしい。
余計な癖が殆ど感じられないほどノーマルな仕上がりとなっていることで、結果的に易しいクラブに仕上がっている。
ゼクシオが売れる大きな原因はここにあるといっても過言ではない。
ちなみにボールのつかまりは中程度。スライサーにとっては注意が必要。
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シャフトの主張が強く、飛距離性能を優先させれば当然操作性は落ちる。実際に球離れも早く感じ、なおかつヘッド挙動はのんびりしているために操作性は悪い。
特に高低の打ち分けは苦手でショットメーカー向けではない。
重心距離は短めで、フェースの真ん中でヒットすると重心の先で当たっていることになり、ギア効果が生じドローになりやすい。
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長所は重心が後ろに下がりシャローフェースになった分投影面積が大きくなった事であるが、形のいびつさはごまかしようがない。さらにフックフェースがかまえづらさを助長させているため、この形状を受け入れられない人も多いのではないか。
頭打ちになったヘッド性能をなんとか伸ばそうと試行錯誤を繰り返した上にたどりついた形状は、多くのプレイヤーの許容範囲ギリギリのラインにある。
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打感は前作と変わらず甲高い金属音は健在。ゼクシオユーザーは満足出来るものであると思う。
ただし若干ボケる感覚がある。これは重心位置が深くなってヘッド形状が扁平になったためであろうが、この程度のボヤケ感ですんでいるのは音をコンピュータで解析するダンロップの技術力によるものであろう。
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毎回メーカー発表とRatingGateの分析で意見が食い違うところであるが、今回もまた補正を加えなければなるまい。いったいMP600MのRフレックスでヘッドスピード33m/s~とはずうずうしい。。ヘッドスピードが落ちて飛距離性能に悪影響が出るのは目に見えている。そんなに欲張らなくても十分ターゲット層全てをカバー出来るスペックを備えているであろうに、自分で評判を落としているようなものである。
RatingGate推奨の適性ヘッドスピードはこちら
目安適応ヘッドスピード |
(1)新・ゼクシオ MP600 カーボンシャフト |
S |
43m/s ~ 47m/s |
SR |
41m/s ~ 45m/s |
R |
37m/s ~ 42m/s |
R2 |
32m/s ~ 38m/s |
(2)新・ゼクシオ MP600M カーボンシャフト |
S |
44m/s ~ 48m/s |
R |
40m/s ~ 44m/s |
ヘッドスピードの基準はドライバー使用時の数値
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軽量級シャフトと重量級シャフトの2つをラインナップさせているが、今作は46インチであることに注意しよう。どうしてもゆったり大きく振らないとヘッドがダウンスイングで遅れてくるので、今までと同じ感覚で振りたい人には軽量級シャフトの方がよい。
ただ、重量級シャフトといってもそれほどハードな設定ではなく、これまでのゼクシオが少し物足りないなと思う程度の人であれば十分使いこなせる。
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