ドライバーヘッドの大型化や460cc規制などにより、飛距離アップの要素に歯止めが掛かったことから開発がスタートしたツアーADクワトロテック。
長尺で使用することを目的に設計されたシャフトで、4軸シートのカーボンを採用している。これによって今までの長尺の、「太くて重い」というイメージを払拭させている。長めに組んでもバランスが重くなりにくい。
また先調子に設定することにより、あくまでも飛距離性能、スピード感を重視している。また重量設定も4種類と、細かく設定があるのが嬉しい。
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RatingGateコラムでも言及した通り、日本ツアー、特に非力なタイプのツアープレイヤーや女子ツアーなどでは現在でもまだ人気が高いのは、その類稀な飛距離性能によるところが大きい。一時はキャロウェイのハイパーERCにクワトロテックを装着したモデルが話題になったこともある。
ツアープロはもちろん飛距離性能だけでシャフトをチョイスするわけではない。事実、飛びすぎてコントロールがきかないという声もあるほどだが、それでも飛距離性能が高いということは大きなメリットである。
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長尺独特の設計から、ヘッドが極端に走ることを抑えてはいるが、やはり挙動は不安定さを隠せない。お世辞にも安定して同じ球が打てるようなイメージはない。
弾道も低弾道ではなく、方向性にはひときわ気をつかうことだろう。どちらかというとシャフトの暴れをコントロールできる上級者が使用しないと、スコアを崩すことになりかねない。
ツアープロでも苦労するほどなので、初心者が使用してもそれだけの性能しか発揮出来ない可能性もある。
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シャフトがヘッドを走らせる感覚が非常に強く、ボールを押していく感じは希薄。ちょうどフジクラのランバックスXシリーズと両極のような特性。
またヘッドの挙動がボールに横の回転を与えやすく、さらにインパクトのフェース角を狂わせ易い為、球に落ち着きは無い。
決して扱いやすいという事はないのだが、ヘッドの返りを助長しない点はさすが。
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トップでは切り返しでシャフトをしならせないとシャフトの反発力を生かせそうにない。トップで先端をしならせて、インパクト前後で一気に開放することで、最大飛距離を得られる。シャフトの動きでヘッドスピードが上がる典型的な特性である。
ただスピーダーの様な超先調子という感じではなく、インパクト付近ではシャフト中央部も多少はしなってくれる。
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重量設定が4種類もあり、トルクもそれによって様々。軽量級のシャフトは球が上がりやすいが、重量が重くなるにつれて弾道が抑えられる事にも注意して欲しい。
どんなヘッドスピード層の人に対しても飛距離性能の点では恩恵を得られるだろう。
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長尺仕様であるが、ゆったりと大きくスイングするよりも、キレのよいスイングでシャフトの特性を生かせた方が飛距離が出る。レスポンスも速いために鈍い感じはしない。
トルクもある程度絞っており、フェースの向きには敏感にならざるを得ない。
スイングプレーンは安定しているが、どうしても飛距離が伸びない人にはフィットする。日本でも、飛距離の欲しい女子プロに特に人気が高い。
タメの作れない人には不向き。
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