RatingGateでも比較的高評価を得たR9シリーズの新作。FCT、MWTなど球筋を変化させる機能が満載している。
以下メーカー抜粋
≫
大きな慣性モーメントがやさしさと安定性をアップ
ヘッドの大型化と深重心化により寛容性が向上。高弾道で大きな飛距離を提供。
≫
大型ヘッドでアドレスもインパクトもよりやさしく
460cc大型ヘッドに3つの「MWT」を搭載、「FCT」とのコンビネーションにより24通りの弾道調整を可能にし、水平方向で左右約75ヤード*の弾道可変幅が可能に。
≫
「FCT」と3個の「MWT」でドライバー24本分のスペックを実現
従来の「R9ドライバー」と比べ10%アップしたフェースエリアと大きな慣性 モーメント、スイートエリアの拡大を促す「インバーテッド・コーン・テクノロジー」と軽量シャフトがやさしさを向上、多くのゴルファーに適した弾道を提供。
|
|
R9初代モデルはまずまずの飛距離性能を記録したが、このSUPERTRIに関してはそれ以上の伸びは感じられない。ヘッド体積が大きく重心も後ろに下がるため、エネルギーの拡散が起こる感覚がある。実測でも大きな変化は計測できなかった。
弾道に関しては高めでボールの回転数は普通からやや多め。ボールが高く吹け上がり気味のプレイヤーは適応にならない。
|
飛距離性能とは違ってやさしさは大きく向上。スイートスポットも前作より顕著な増大を認める。ただしこれはヘッド体積の向上に伴うものであり、重量配分などヘッド構造に起因するものではない。
ボールは上がりやすいのでローボールヒッターやヘッドスピードの無い人にも合わないということはないが、姉妹モデルでもっと易しいものもあるので柔軟に適応を考えたい。
|
プロモデルにしては少し鈍さが残る。また球離れが早いのでプロモデルとしてはフェースの向きに忠実にボールが出てゆく感覚が強い。
総合的に判断すると、上級者をターゲットにするツアーモデルとしてはいささか不満が残る。どうもネック部分のFCTシステムが操作性を阻害している気がする。ヘッド全体に硬いイメージが残るので落ち着いてボールを叩ける感覚が残らないのだ。
|
ヘッド形状は後ろに出っ張った三角型である。テーラーメイドはこの形をスタンダードにしたいらしく2年ほど前から同社で発売する殆どのドライバーにこの形状を多かれ少なかれ投影させてきた。
ただゴルフ業界でテーラーメイドが大きなイニシアチブを取らない限りはあくまで異形ドライバーの冠は外せないだろう。
ディープフェースも特徴的で好みの別れるところである。
フェースアングルに関して言えばFCTシステムによって調整可能でありかなり大きく変化が期待できる。
又、初代R9と並べて実際に構えてみると、ヘッド容量の大きさに増してヘッドが大きく感じる。R9SUPERTRIは若干シャローフェースになった分だけ投影面積も余計に拡大しているようだ。
|
打感は硬めである。恐らくレンジボールで打っている時は気が付きにくい硬さであるがコースボールではかなりガッチリと手元に衝撃が残る。
従って評価は決して高くはない。これもまたFCTシステムの影響が大きいように思う。
打球音も若干大き目で鈍い。柔らかく透き通るような心地よさとは対極に位置する。
|
テーラーメイドの現行ドライバーは一見しただけではどのようにターゲットを定めて差別化しているのかわかりづらく、消費者泣かせである。
このモデルはある程度ハードヒット出来なければクラブの良さは実感出来まい。言ってみればクラブのハードさも打感の硬さもまとめて振り切ってしまうようなタフさが必要なのである。
最低でも44m/s、出来れば47m/sは欲しい。
|
テーラーメイドは純正シャフトにフジクラ社のモトーレを採用している他、三菱のフブキやグラファイトデザインのDIなどもラインナップさせている。
オーソドックスでプレイヤーを選ばないのはDIであろう。このシャフトで実際に試打を行うと他のシャフトより少し球が重くなる。もともと打ち出し角や回転数が多めのヘッドゆえ、うまく短所を補正してくれる。また飛距離性能も比較的高い。
また純正シャフトであってもモトーレの弾きはプレイヤーには心地よく感じる。ショップで試打クラブとしてストックしてあるのは大体このシャフトであるから購入前に試打を行うのも比較的容易なのではないだろうか。
|
相変わらず仰々しいデザインは健在で、ミーハーなデザインであることは否めない。更にカラーリングもヘッド自体が黒のため、ロゴなども大きく目立つ。
一見すると恰好よく映るのかもしれないが、芸術性は皆無であり飽きの来やすいデザインとも言える。
カラーリングはプロパーモデルとしては比較的丁寧。
|