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#1
ロフト角(°) 8.5 9.5 10.5
ライ角(°) 57.5
ヘッド体積(cm3) 460
クラブ長(インチ) 45.25
バランス (1) D3(X) D2(S) D1(SR)
(2) D1(S) D0(R)
(3) D2(S)
クラブ重さ (g) (1)S 315
(2)S 307
(3)S 313

ヘッド素材 フェース:チタン(Super-TIXR51AF)
ボディ:8AL-2Vチタン
ヘッド製法 フェース:鍛造 ボディ:ロストワックス精密鋳造
仕上げ フェース:サテン仕上げ ソール:ミラー+ショット+塗装仕上げ





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ダンロップ スリクソン Z-TXドライバー SV-3020J T-55シャフト



日本アマ使用率No1になったZR−800シリーズの後継機種。開発段階からSRIスポーツ契約のプロが多数使用し、プロの評価が高いモデルである。

ヘッド形状については中嶋常幸プロが監修したという。ヘッド、スペック等を総合すると前作より軟化傾向にある。またフェースの金属に「スーパータイエックス」という新日鉄供給の新素材を使用しているとのこと。

以下、メーカー抜粋
■反発エリアが拡大し、安定した大きな飛びを生む「新肉厚構造フェース」
■ターゲットに対して真っ直ぐ飛ぶ「ツインカムソール」と「新素材軽比重チタン」
■世界のトッププロが求める構えやすさと安心感をさらに追求
■ミート率、ボール初速ともにアップし、安定した大きな飛びを生む「新設計シャフト」
■思いきり振り抜けて飛距離アップ!「フジクラ モトーレ スピーダー VC6.0」



このZ−TXが他社の製品に比べて大きく飛距離性能に優れているということはなさそうだ。特に純正シャフトは飛距離を優先させたというよりはむしろ総合的に無難に仕上げているといった印象。

ヘッド形状が平べったくなったせいもあるが、まだ前作ZR−800の方が数値的にも実際に打ち比べても飛距離のアドバンテージが大きい。

適正な打ち出し角とスピン量でボールが飛び出してもどこか力感にかけ、大きな音に比べて思ったより前に出ない。



これがダンロップの販売戦略なのか、プロユースのモデルではあるが初心者でも全く問題はないほど易しい。ティショットでのストレスは大幅に軽減されるであろうが、どこか物足りなさに包まれてしまう。

ZR−800では重心の高さからかなりの難易度であったが、このZ−TXは直ドラ(フェアウェイからドライバーを使用すること)も難なくこなすほど重心を下げてきている。

多くのプロの意見を反映させたというが、ツアーのプロはアマチュアよりも易しいクラブを好む傾向を顕著に表わしているのだろう。

不思議に感じたのは、これだけの易しさを持ちながらもボールの捕まりは抑えている点。したがってボールを捕まえたいスライサーは注意が必要。



ヘッドはプロユースモデルにしては鈍感な方で、特に純正シャフトを装着するとフェースの向きの変化がのろのろともどかしい。ZR−30などのシャープなモデルに比べると大きく操作性は劣るが、往年のゼクシオのように極端に球離れが早いことはない。

またヘッドの先でインパクトさせ、ギア効果によってドローを打つことは出来ない。

プロレポートでも操作性が良いという意見はほとんどないが、大きな癖がないことは評価に値できる。



フェース面は殆どスクウェアであり、こちらは高評価となった。スリクソンは3年ほど前まではフェースをスクウェアに保つ設計技術に遅れ、プロモデルでも大きく左を向くモデルが多かったが、ここ2年ほどで大きく改善されている。これはRatingGateが何度も厳しく言及してきた点でもあるのでうれしい限りである。


ヘッドの座りも申し分なく、重力に任せてソールしても、おかしな座り方はしない。

少し気になるレポートとしては、悪評が高いソール形状のせいで、芝が薄いときに限ってスムーズにソールできないというものもあった。




低評価となってしまったのはこの独特の打感、打球音であった。前作も柔らかいとは言い難かったが、各メーカーが研究を重ね比較的容易に改善出来るポイントであるがゆえに、相対的に悪いレポートがそろってしまった。

音は大き目でしかも高い。ゼクシオまでとは行かないものの、至高の打感には程遠い。アスリートモデルという先入観も違和感を感じさせる要因なのかもしれない。

唯一プラス評価に傾いたのは、球の食いつきは良好ということであった。



特にハードヒッターでなければ打ちこなせないということではなく、純正シャフトも2種類あるので体力によってシャフトを選べばよい。ただヘッドスピードが早ければ早いほど、フジクラのモトーレでは頼りないし純正シャフトでは役不足であるので、プレーヤー自身でリシャフト等の調整が必要になってきてしまうだろう。



純正シャフトは飛距離性能の点でお薦め出来ず、モトーレもSシャフトまでしかラインナップされていない。ダンロップのフラッグシップモデルにしてはまだまだ配慮不足は否めない。各ショップが発売しているオリジナルのリシャフトモデルに頼らざるを得ないのが現状のようである。

日本アマなどで評価が高いのはやはりクレイジーだろうが、残念ながらRatingGateでも分析を進めていないので言及は控えたい。どんなヘッドでもクレイジーシャフトが飛んで曲がらないというのは正しくないように思う。



ヨネックスのネクステージなどでも言及したが、最近の日本製プロパーモデルは無意味な装飾が多い。

ソールの形状がデコボコと飾り立てられており何を意図しているのか全く分からない。スタッフプロも、この形状がどうして必要なのか首をかしげていた。

前作のZR−800の時も同様であり、その時は恐らく最良の重量配分の結果なのであろうと理解していたが、今回のZ−TXとを見比べてみると、どうも重量配分の影響ではなく単なる装飾の可能性が高い。ZR−800とZ−TXのソール形状は全く共通性が見当たらず、しかもどちらも角ばった装飾を施しているためである。


さらにソール両側の塗装も艶消しでプラスチックのオモチャのようにチープである。


いわゆるミーハーな大衆クラブの臭いが漂ってしまう。











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ダンロップ スリクソン Z-TXドライバー SV-3020J T-55シャフト








最近のダンロップはおかしい。絶対的王者のゼクシオがマイナーチェンジを繰り返し大きな冒険を徹底的に避けてきた代わりに、スリクソンブランドはあっちにフラフラこっちにフラフラ、まったくベクトルが定まらない。

アイアンのGiEを発売した時と同様、せっかく長年かけて築き上げてきたイメージを自らの手でぶち壊しているようなものだ。

Z−TXも、どうしてフラッグシップモデルでこれだけアベレージ向けに設計しなければならないのだろう。プロがそういうから?不景気だから?そのような事ではきっちりと方向性を立て直しつつあるツアーステージのみならず、コンセプトを一貫して製品を供給し続けるインプレスなどにもシェアを奪われる気がしてならない。

さらに言うならばこのソールデザインに目をひかれるのはゴルフを覚えたての何も知らない初心者だけではないだろうか。最新式のポルシェに竹槍マフラーとチリトリスポイラーをつけるようなものだと皮肉を言っておきたい。レガシーを、オノフを、インプレスを見習ってほしい。

現在、まだある程度の売り上げを保っているのはこれまでの信頼という貯金に過ぎない。目先の利益にこだわらずに正しいビジョンをもってマーケティングを行ってもらいたいものである。

※Z−TXに関して、個体差が目立つ事例が報告されている。購入される時には必ず実物をみてロフトなども計測してみることをお勧めする。



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