「パワーチャージ設計」という言葉で性能の向上をアピールするザ・ゼクシオ。しかし、商品の詳細な設計などはあまり公開されておらず、カタログやデータからは何が新しいのかは伝わってこない。
フェースの厚さを不均一にするバルジ・ロールフェースも特に目新しいというわけではない。またクラウンの厚さを変更しているが、これもまたどのメーカーでも取り入れていること。
注文によってヘッドの微細なカラーリングを変える事が出来るのは、遊び心をくすぐる。
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今回のテストの中では、評価が比較的高かったのがこの飛距離性能。特にどのヘッドスピード層に性能が高いというわけではないが、アベレージからある程度のハードヒッターにまで振れば振っただけそれ相応の飛距離性能を与えてくれた。
今回のゼクシオは、トータルバランスの点で秀逸であり、あまり特徴が無い反面ゴルファーに安定した性能を供給してくれる。
ヘッドもボールを良く弾き、シャフトも変な暴れ方をしないのと同時にある程度の弾き感で飛距離を伸ばす。
ただ、大ヒットモデルの初代や二代目のように、ヘッド単体の極端な弾き感でボールを飛ばそうという感覚が欲しい人には不向き。
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ヘッド体積は460ccになり、さらに4代目よりも若干シャローフェースで投影面積が大きい。
これはシャフトが45.75インチに長尺化されたことによる調整と見て良いだろう。その結果、構えた感じのやさしさは変わらないまま飛距離性能の向上につながっている。トータルで良く計算されて設計されている。
オフセットヒット(芯を外す事)した時の挙動だが、これも比較的安定していてシャフトが変にねじれてしまうことも無い。
注意しなくてはいけないのは球のつかまりが非常にオーソドックスであり、フックフェースと言えども右が怖いスライサーには不向きという事。
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球の弾きがマイルドとはいえ、そこはまだまだゼクシオ。本当の上級者が満足するような操作性ではない。ヘッド形状から仕方のないところだが、シャフトにもう少し粘り感が出れば又変わって来るはずである。
低い弾道も苦手。決してどこかにいってしまうような高さではないのだが、弾道は若干高め。その意味で8.5度がラインナップされているのは、下からあおってロフトが増えるプレイヤーには嬉しい。
上級者のレポートの中には、フックフェースが操作性を邪魔しているという意見も。
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長尺化されたが、シャローフェースと460cc化によって難しく感じることは殆どないだろう。
ヘッド形状としてはヒール部分に厚さを持たせる事によって、実際のフックフェースを見た目で解消しようとしている。
ヘッド自体はプロプレイヤーでも使用できるほどの美しい形状であり、8.5度であればフェースの向きも気にならずカスタムシャフトを装着すれば素晴らしい仕上がりも期待出来る。
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前回と比べて大きく改善されたのかこの打感で、これはレポートでも高評価のものが多かった。
実際に専属スタッフの試打においても、まだ若干の硬さは残るものの、使用するボールの種類のコンプレッションを落とせば充分使用可能との判断。
ダンロップも消音材をいれたりウェイトの位置を変更したりして綿密な研究がなされているようであるが、ここまでコロコロと前作と打感が変わるのは珍しい。
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ダンロップの適正チャートを見ると、思ったより高ヘッドスピード向けにも対応していることがわかるが、RatingGateの調査でも正にその通り。
ヘッドもシャフトも完成度が高く、メーカーカスタムで調整すれば、プロでさえも使用可能といえよう。それは8.5度であればフックフェースが気にならなくなるところが大きい。
もちろん40m/s前後のプレイヤーでも使用できる。こちらはどちらかというとあまり練習をしなくてもそこそこの結果を期待出来る。
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純正シャフトも非常に完成度が高い。弾き感を残しつつもシャフト中央部に適度な粘りも残している。一言で言えばタイミングの取りやすい設計。
重量別に2種類が選択可能である。ただしどちらもフレックスは柔らかめで挙動の違いは殆ど感じられない。キックポイントはどちらも中調子に設計されている。
カスタムシャフトもクワトロテックのMDや、ランバックスのZシリーズなど、最新シャフトが選択可能だが、こちらは恐らくヘッドとの相性では調査が行なわれてはいないだろう。あくまで消費者の判断に任せられている。
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