SRIスポーツの生命線、ゼクシオの7代目モデル。前作は大幅に変更を加え見た目よりも絶対的な性能を優先させたが、本モデルではまたオーソドックスな設計に戻しつつある。
最も大きな変更はクラブレングスを0.5インチ縮小させたことと、シャフトの重心を40mm手元よりにしたこと、さらには三角形に近いヘッドを丸型に修正してきたことなどが挙げられる。
シャフトを短くしても決してヘッドスピードは落ちていないことをメーカーは強く主張している。
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確かにメーカーのふれこみ通り短くてもヘッドスピードはあまり落ちない様である。更にはヘッドを少し重くしたせいかエネルギーの伝達効率が上がったようにも感じる。実際にレンジでコースボールを使用して計測を行ってもみても前作と飛距離性能は変わらないかやや向上の傾向を見せた。他社メーカーとと比べるとかなり良く飛ぶ印象である。
ヘッドの基本性能も高水準だがXXIO7は純正シャフトの出来が素晴らしい。シャフトがつくったエネルギーの蓄積が鞭のようにヘッドに伝わりプレイヤーの意図とは別にボールを弾き飛ばす。
挙動としてはダウンスイングで容易にシャフトの手元側がしなるが中折れすることなくそのしなりが先端に移動してヘッドを加速させるような感覚である。
ゼクシオのような社運のかかったモデルの設計はヘッド開発時にシャフトも合わせて設計する為カスタムシャフトよりも飛距離性能が向上することも珍しくない。
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ヘッドの投影面積は前作よりも小さくなったがヘッドの挙動は相変わらず素直で大きな癖が無い。直進性能も高く、例えインパクトで大きく手首をこねてしまっても太いトルクがそれを受け止める。
ヒールヒットしても大きく飛距離を損なうことが無くかつ右に戻ってくるので初心者でも安心である。
凡庸と言えば凡庸だが、それゆえに長く使用すればそのニュートラルさを易しい、かつ優しいと感じさせてくれる。
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易しさを重要視している分操作性は評価が高くないものの、前作に比べれば随分マシになった。これはノーマルなヘッド形状のおかげもあるが純正シャフトの完成度の高さによるところが大きい。
大きくねじれても必ず元の所に帰って来てくれるという安心感がある。一本芯の通ったしっかりしたフィーリングがあるのだ。
ダンロップの純正シャフトは数年前まで極めて完成度が低くRatinGateでも痛烈に批判した記憶があるが、そのころに比べると飛躍的な進歩が見られる。
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極端なフックフェースもなくなり上級者でも心地よいと感じられるだろう。実際にボールをティアップし、その後ろにそっとヘッドをソールしてみると、ホッと一息をつくことが出来る。やはりXXIOはこうではなくてはならない。
内部では最新のテクノロジーが結集されていようとも、外見は静かで何も主張しない。ゴルフの内容はもちろん、自然と遊ぶ楽しさやプレーする喜びを思い出させてくれるような受動的でスタンダードな顔つきである。
前作ではヘッドの形状や極端な重心設定など流行に乗り遅れぬように少々あせった方向性が見て取れた。分析した当時は進取の気風に富んだ決断であるとも思ったが、やはり王道を行く方がXXIOらしい。
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打感も前作より向上している。音は高めでクリアさがあり瑞々しいが、凝縮した液体のようなリキッド感も感じられる。これはヘッド形状の影響があるが、何より長年の研究によるサウンドリブの貢献が大きい。
XXIOのHPを定期的に見ている方はご存知だろうが、ダンロップはモデルチェンジの度に毎回サウンドリブをしつこく紹介している。慣れたXXIOユーザーは少々閉口気味かもしれないがその内容は毎回変化しており、これこそが前述した研究の蓄積なのだと言えよう。
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メーカーの適正H/Sは32~48m/sと非常に幅広いが実際に48m/sまでカバー出来るかどうかは疑問が残る。いくらシャフトの剛性が高いといえ、切り返しがはやくタメを作るのが得意なプレイヤーには絶対的にシャフトは柔らかいだろう。
高ヘッドスピード層のプレイヤーは特に広い練習場やコースで試打を行ってから購入することをお薦めする。
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前作では軽量級シャフトと中量級シャフトの2種類がラインナップされていたが恐らく中量級シャフトの売れ行きが芳しくなかったようで、今回は軽量級シャフトの1スペックのみ。だが前述の通りその出来は素晴らしい。各ショップからカスタムシャフトが発売されている様であるがまずは純正シャフトを試してもらいたい。
またボールの回転数は少なめなので球が浮きにくい人はロフトの選択に注意が必要である。
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XXIOのデザインはいつも無難なラインを貫いている。さらっとしていて無駄な主張はしないが悪く言うとパンチが無い。もともとデザインで顧客を獲得するクラブではないのだからこれは意図的な戦略であろう。
塗装は丁寧でラインのはみ出しなども見当たらない。また製品ごとの個体差も少ない事も評価できる。
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